WRC(世界ラリー選手権)第2戦となるラリー・メキシコが3月3日(木)から6日(日)にかけて行われ、シトロエンのセバスチャン・ローブがラリー・メキシコ5連勝を記録。キミ・ライコネンはエントリーしなかった。以下、プジョー・シトロエン・ジャポンのプレスリリースより。
2006年以来メキシコで負けなしのセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組が今回、メキシコでの5連勝目を飾りました。そしてこれは今回のラリー全般を通じてグラベルでの強さを見せつけたシトロエンDS3WRCにとっての初勝利でもあります。
一方、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組はデイ3最初のステージでコースアウトし、リタイアを余儀なくされました。ローブ/エレナ組は今回の勝利でドライバーズタイトル争いで2位に浮上しています。
総走行距離が長いデイ1、デイ2と打って変わって、ラリー・メキシコ最終日となるデイ3はわずか62Kmという短い距離での戦いでした。サービスなしでの3ステージからなるループは、グアナファト(29Km)、コマンニラ(24Km)、そして上位3台にボーナス・ポイントが与えられるグアナファトのパワー・ステージ(8Km)という構成でした。
デイ2を終えてのトップ、オジエと2位ローブとの差はわずか10.5秒。最終日、2人の目標はもちろんシトロエンDS3WRCのワンツー・フィニッシュです。ところが、オープニングステージで予期せぬ悲劇がオジエを襲いました。ステージ途中でコースアウトし、左フロントのサスペンションを損傷して、リタイアせざるを得なくなったのです。
「1番スタートだったので、また路面の掃除役になってしまい、1位をキープするには強気で攻めていくしかなかった」とオジエは振り返ります。
「コーナーでアンダーステアになり、少しふくらんでしまった。それで道端の石を避けきれなくて左フロントのサスペンションを壊してしまった。ギャンブルして負けた訳だけど、何よりチームのみんなに本当に申し訳ない。今回、スタートからすばらしい展開だったのに、マニュファクチャラーズ・ポイントを獲得するという任務が果たすことができなかった」
ステージ途中で止まってしまったチームメートを目の当たりにして、ローブの闘争心に改めて火がつきました。
「オジエとイングラシアが道端にいるのを見たときはショックだった。最後の最後まで競り合いたかったし、あんな形で終わったのは残念だよ。このステージで僕らは2位のミッコ・ヒルボネンに1分30秒以上の差をつけてトップに返り咲いた。あとは最後まで大事に走るだけだった」
コマンニラで数秒ロスしたあと、ローブはボーナス・ポイントの獲得に向けてパワー・ステージのスタートラインにつきました。結局、ペター・ソルベルグと同タイムの2位。ボーナスの2ポイントを獲得して激戦ラリー・メキシコを終えたのです。
「とにかく手強いラリーだった。オジエとのスリリングな競り合いあり、マシンの初期トラブルありで、やっと最後の最後に勝利を手にできた。チャンピオンシップ・ポイントで2位につけているから、今回の優勝でポイントが加わったのは大きいね。メキシコでやっとシーズンが始まった、という感じだ」
「今回もまた、シトロエンにとって特別な結果となりました」とオリビエ・ケネルは笑顔で語ります。
「本当にすばらしいラリーでした。途中、オジエがリタイアとなり、残念ですが、仕方ないですね。グラベルでの最初のステージとなった今回、多少の不調はあったものの、DS3WRCのスピードと安定性をしっかりお見せすることができました。これからのシーズンが楽しみです。なにせ、最強のマシンと最強のクルーがタッグを組んでいるのですから。2つの世界タイトル獲得に向けて、万全の戦略を立てていきますよ」
ペター・ソルベルグ/クリス・パターソン組は慎重にDS3WRCを走らせてデイ3を4位でフィニッシュし、パワー・ステージでもボーナス・ポイントを獲得しました。