近代F1サーキットに高まる非難

2011年03月08日(火)

F1サーキットの設計についての議論に、マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュが割って入った。F1は新しい機会を生かしきれなかったという意見に加勢したものだ。

2011年F1は、可変リアウイング、KERS(運動エネルギー回生システム)、そして極端な性能低下をもたらす新しいピレリタイヤの導入がコース上の「見せ場」向上に貢献するよう期待されている。

これに反して元F1王者ジャッキー・スチュワート卿は、近年に作られたサーキットのデザインに異をとなえた。

これについてF1チームが組織するFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)会長も兼任するウィットマーシュは、『Motor Sport(モータースポーツ)』誌にこう語ったとされる。

「例えば米オハイオ州クリーブランドのバーク・レイクフロント空港サーキットのように、広いコーナー、複数のレーシングラインがあれば、良いレースは誰の目にも容易(たやす)く演出可能だ」

もっとも、アブダビGPといったレースの主催者を批判するのは正しくないとウィットマーシュは言っている。スリルに満ちた2010年シーズン、素晴らしい景観のヤス・マリーナ・サーキットで最終戦は行われたものの、レース自体は、あまり見応えが感じられなかった。

「せっかくの舞台を生かしきれなかったね。F1有数の長大ストレートの果てに2台並んでの通過は不可能なシケインがあったのでは、それも仕方ない」とウィットマーシュは語る。

ドイツのマスコミは、同じウィットマーシュのこんなコメントを紹介している。「ブラジルが良い例だ。施設こそ良くはないが、レースは素晴らしい」

「砂漠で新しくレースを始めるなら、建築面も金銭上も、制限はないはずだ。何も考えず、世界の偉大なサーキットから名コーナーを模して作ればよかったのに」

世界チャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、今年考え出された追い抜き増加策で、コース上で他車を抜くことが当たり前にならないよう願っている。

「追い抜きには何らかの価値があるべきだよ。サッカーのゴールのように、値千金でなければ」と、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』誌に語るベッテルだった。

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