出たり戻ったりのF1キャリアが続くビタントニオ・リウッツィ。今週、新たにヒスパニア・レーシング(HRT)のシートを獲得し、リウッツィが見つめる先は未来のみだ。
2011年の契約がありながらフォース・インディアのマシンから降ろされたリウッツィは、新シーズン開幕まで2週間あまりというタイミングでHRTと契約、これで今年の全グリッドは埋まった。
『Blick(ブリック)』紙によると、リウッツィはフォース・インディアから違約金として200万ユーロ(約2億3,000万円)を受け取ったとされる。
両者の別離についてリウッツィは『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙へ、次のように語っている。
「僕の側で言えば、いろいろなことが起きたけれど、その多くは僕の所為ではない。問題は何もなかったよ。ただ、僕はチームのボスじゃない。資金を投入する人物が他の選択をしたまでだね」
「いずれにしろ、もう過ぎたことだよ。F1がどんなところかは、知っているさ」
グリッド最下位から新しい挑戦が始まるリウッツィ。HRTの新車F111は、未だテストに登場していないが、リウッツィはこう話す。
「一からのやり直しは、もう僕のF1キャリアで慣れっこだよ。2倍の努力を払って速さと信頼性を追い求めるつもりだ。”ローマは一日にして成らず”ってね」
その第一歩は今週末のバルセロナでの、HRTの新車デビューから始まる。そのすぐ後には、オーストラリアで開幕戦が控えているのだ。
「もちろん、望ましい状況とは言えないね。慌ててパズルを完成させるよう迫られたような気分だよ」
ところでリウッツィは、エンリコ・ザナリーニという新しいマネジャーを雇い入れている。エディー・アーバインやジャンカルロ・フィジケラを担当したことで知られる人物だ。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙によれば、フォース・インディアとの一件で、かつてロータスの代表だった前マネジャー、ピーター・コリンズと袂(たもと)を分かったとみられる。
「ピーターとは長年を共にしてきたし、仲も良かった。まあ、新しいスタートを切りたかったというところかな」と、リウッツィ。ザナリーニについては次のように言っている。「正しい人間がマネジャーについたと思うよ」