2011年F1第3戦中国GPが4月16日(土)、上海インターナショナル・サーキット(1周/5.451km)で3日目を迎え、現地時間15時(日本時間16時)から決勝が行われ、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が優勝した。
セッション開始時の天候は晴れ、気温22℃、路面温度は29℃。スタートでは、ポールポジションのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が出遅れ、2番手スタートのジェンソン・バトン(マクラーレン)がトップに。ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が2番手に続き、ベッテルは3番手に後退した。13番手スタートの小林可夢偉(ザウバー)は、1周目終了時点で11番手に順位を上げた。
3周目、可夢偉が可変リアウイングを使用してハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)を抜き、10番手に浮上。トップでは、1-2体制を築いたマクラーレン勢のすぐ後ろにベッテルがつけている。レース序盤は、ペースの上がらないクルマの後ろに数台が連なり、少し間隔を空けてまた別のグループができるという展開になったため、いたるところで接近戦が見られている。
11周目、9番手ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)がピットインしたため、可夢偉が9番手に。12周目には7番手ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)がピットインし、可夢偉が8番手に浮上した。そして13周目に4番手ニコ・ロズベルグがピットへ入ったことで、可夢偉は7番手になっている。
15周目、トップのバトンと3番手ベッテルが同時にピットへ。しかし、バトンがマクラーレンのピットの手前にあるレッドブルのクルーの前で止まろうとしてしまう。バトンはそのままレッドブルのクルーを通過し、マクラーレンのクルーのもとで止まったが、これでバトンはベッテルに抜かれてしまった。可夢偉もこのタイミングでピットインしている。
次の周には、ハミルトンとフェリペ・マッサ(フェラーリ)が同時にピットイン。マッサがハミルトンを抜いた状態でピットインしており、マッサはハミルトンの前のままでピットアウトした。各車が1回目のピットストップを終えると、ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)がトップに立ち、2番手ベッテル、3番手バトンになった。また、可夢偉はどこかで接触していたようで、ノーズの先端が損傷した状態で走り続けている。
25周目、バトンが2回目のピットストップ。次の周にはトップのロズベルグと5番手ハミルトンもピットへ入り、ベッテルがトップになった。シューマッハも27周目にピットイン。マクラーレン勢とメルセデスGP勢は、まだ一度もハード側のタイヤを装着しておらず、もう1回ピットストップする必要がある。
31周目に可夢偉がピットへ入り、ソフト側のタイヤからハード側のタイヤに交換したものの、壊れているノーズは交換せずにコースへ戻った。次の周にはトップのベッテルがピットへ。34周目にはトップに立っていたマッサがピットインし、ベッテルのすぐ後ろ、5番手でコースへ復帰した。
38周目にはバトンが3回目のピットストップを行い、ハード側のタイヤに交換。次の周にはハミルトンもハード側のタイヤに交換した。40周目にロズベルグが3回目のピットストップを行い、ハミルトンの前、3番手でコースへ復帰した。
3回目のピットストップ後、ロズベルグがチームから燃料の状態が厳しい状態だと伝えられると、次々に順位を落としていった。また、2番手ハミルトンがトップを走るベッテルとの差をつめている。しかし、ベッテルの無線がレース中盤から不調になっており、チームからベッテルに対する無線は通じているものの、ベッテルからチームへの無線は通じていない状態だ。
ベッテルとハミルトンは数周にわたってバトルを続けたが、52周目にハミルトンがベッテルを抜いた。このままハミルトンが優勝し、ベッテルの連勝を止める結果となった。
レース終盤に可夢偉はビタリー・ペトロフ(ロータス・ルノーGP)やポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)と順位を争ったものの、最終的には10位でレースを終え、2戦連続のポイント獲得を果たした。