ルールの抜け穴を利用し、スロットル閉鎖時の排気ガスを空力に利用する手法をとったF1チームが、統括団体FIA(国際自動車連盟)による取り締まりまで4戦の猶予を与えられた。
これは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌が報じたもので、ブロウン・エキゾーストと呼ばれるこの処理は、第8戦ヨーロッパGP(6月26日決勝)まで使えることになったという。
ブロウン・エキゾーストとは、ダウンフォースを発生させるディフューザーへ排気ガスを流すことで、ディフューザーの効率を向上させるシステム。今回問題となっているのは、アクセルを踏んでいないときに排気ガスがディフューザーへ流れなくなるのを防ぐため、アクセルを踏んでいないときにも排気ガスをディフューザーへ流す機構だ。
ブレーキングやコーナー進入時にアクセルを踏んでいない状態のとき、排出されるガスの量はアクセル全開時の10%以内にとどめなければならないとする新たなルールは、第9戦イギリスGP(7月10日決勝)から適用されることになったようだ。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は、ライバルたちの虚(きょ)を突こうとするマクラーレンが即時禁止を想定、いち早くスペインGPで対策を施したとも伝えている。
伝えられるところによると、ヒスパニア・レーシングやヴァージン、ウィリアムズなどは、スペインGP後、ブロウン・エキゾーストは可動空力システムだとして異議申し立てを行う可能性もあるという。
FIA技術部門の責任者チャーリー・ホワイティングは言う。「われわれの情報に基づけば、誰かが抗議したら対象となるのは、9ないし10チームだろう」