F1 1.6リッター4気筒ターボエンジン導入は棚上げか

2011年05月22日(日)

2013年から導入される新エンジン規定が棚上げになる可能性がある。

F1では2013年から、1.6リッターの4気筒ターボエンジンが導入される予定だ。しかし、F1の最高権威であるバーニー・エクレストンは、『Blick(ブリック)』および『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』の取材時、4気筒ターボ時代の到来を「冗談だろう」と笑い飛ばしているのだ。

フェラーリなどのF1に参戦しているエンジンメーカーも、エクレストンと同じ意見を持っており、現行の2.4リッターV8エンジン規約維持の議論に加わろうとしている。

F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッドは、スペインGPが行われているバルセロナで21日(土)にエンジンメーカーと話し合いを行ったとみられる。また、エクレストンはメーカー側の主張は明らかだと言う。

「FIAは間違った前提に立って決定を下しており、その二次的な影響について考えていない」

「エンジンメーカーとチームはFIAに、『検討の結果、当時は正しく感じられた決定だが、現状を考えると誤りに思える』と伝えるべきなんだ」

トッドに対するエンジンメーカーの主張はシンプルだと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝えている。曰(いわ)く、2013年までに競争力のある4気筒エンジンを作り上げるのは不可能ということだ。

また、ルノーはF1に長期参戦するつもりがないとも言われていることから、メルセデスはエンジンの供給先チームを増やすよう求められる可能性がある。しかし、メルセデスのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグは、次のように断言した。

「それはできない。5年でコスト30%削減が保証されない限り、4気筒エンジン案を支持するつもりはない」

その一方で、クレイグ・ポロック率いる「PURE」プロジェクトが、2013年からのF1エンジン供給を目指すと発表したが、これはF1のターボエンジン化によってより多くのメーカーが興味を示すことを証明するため、政治的な動きが関連していたとのうわさもある。

F1エンジンについてはトヨタやホンダの復帰説、フォルクスワーゲンの参戦説などがあったが、実際のところうわさにすぎなかった。現F1参戦者たちの意見を無視し、V8エンジンから脱却することが本当に正しい道なのだろうか。

「そもそも、そのような変更が可能なのか?」ロータス・ルノーGPのチーム代表であるエリック・ブーリエがF1公式ウェブサイトに語っている。

「ファンとこのスポーツの未来のために、間違った決断をしないことが大事なのだ」

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