ヴァージンが、テクニカルディレクターとして同チームの技術部門を率いてきたニック・ワースとの決別を発表した。
イタリアのメディアは1日(水)、2012年にヴァージンがマクラーレンやメルセデスと技術提携を結ぶと報道。マクラーレンとメルセデスは、フォース・インディアとも技術提携を結んでおり、これと同様の提携になるとのことだ。
この提携により、ヴァージンはマクラーレンとメルセデスからエンジン、トランスミッション、KERS(運動エネルギー回生システム)、リアサスペンションの供給を受けるという。また、ワースや、ヴァージンの設計を担当していたワースの会社ワース・リサーチグループとの提携が終了したとのことだった。
そしてヴァージンは2日(木)、ワースとの決別が事実であると発表。ロシアのスーパーカーメーカーであるマルシャがチームのタイトルスポンサーとなり、チームへの出資も行ったことを受け、「包括的な検討」を行った結果、導き出された決断とのことだ。
ワースは、風洞施設を使わず、CFD(数値流体力学)を使ってコンピューターのみでクルマを設計した。しかし、ヴァージンのクルマは速さを見せられず、現在F1の最下位チームであるヒスパニア・レーシングに抜かれる寸前とも言われる。
しかし、ヴァージンのアンディ・ウェブCEOは、「技術としてのCFDに対する信頼は揺らいでない。特に、費用対効果という面でCFDは、毎年より優れたものになってきている」と語り、CFDだけではF1を戦えないことが証明されたとの意見を否定した。
なお、ヴァージンは新たな技術提携について数週間以内に発表するとしていることから、マクラーレンやメルセデスとの提携も近日中に正式発表されるとみられている。