ルイス・ハミルトン、ジェンソン・バトンよりも紙面をにぎわす

2011年06月15日(水)

ルイス・ハミルトン(マクラーレン)の最新のトラブルの方が、チームメートのジェンソン・バトンがカナダGPで繰り広げたセンセーショナルな優勝よりも魅力的らしく、各紙面の見出しをにぎわしている。

モントリオール(カナダGP開催地)で何度もドライバーに接触し、最後はバトンとの接触でリタイアとなったハミルトンが、論争の的になり、『Bild(ビルト)』には、「ルイス・ハミルダム(ダム=愚か者)」という見出しが躍っている。

デビッド・クルサードは『Telegraph(テレグラフ)』の最新のコラムで、「さまざまな点から、正直忘れられないようなグランプリで見せたバトンのセンセーショナルな優勝が、きちんと見出しになるべきなのに残念だ」と書いている。

『El Mundo(エル・ムンド)』は、バトンを「サーキットの紳士」と書き立てている。チーム代表のマーティン・ウィットマーシュは、最後の周回で飾った勝利をF1史上もっとも偉大な勝利のひとつと話している。

しかし、メディアやコメンテーターは明るい話題よりも否定的な話題を口にするもので、中にはニキ・ラウダ、スターリング・モス、エマーソン・フィッティパルディといった偉大なドライバーもみんなハミルトンの批判をしている。

マクラーレンの元ドライバー、ジョン・ワトソンは『Talksport(トークスポーツ)』ラジオに、「あの時、ルイスがいい位置にいたとは思わない」と、彼らに同調した。

さらに『BBC』のコメンテーターを務めるマーティン・ブランドルはこのような意見を述べている。「ルイスは完走する必要があるのに、クルマにダメージを与え続けていた。異なった方法でレースをしていた。それでは、うまくいくわけがない」

バトンもチームメートのトラブルにコメントしているが、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)に命を守るためにハミルトンを出走禁止にするべきと求めたラウダを強く批判した。バトンは『Mirror(ミラー)』に、「そうは思わないな。彼のドライビングスタイルは攻撃的だと思うけど、いつだって間をあけているよ」と話している。

またバトンは、『The National(ナショナル)』に「ルイスはよく見出しになるけど、それは彼がすばらしいからなんだよ」とコメントした。

『The Sun(サン)』のコラムで、ラウダは「ルイスはもう少し落ち着いて、セレブやロックスターのようなことをする時間を減らすべきだ。彼はミスをしているし、ドライビング自体にもっと専念し、集中する必要がある」と書いている。ラウダはハミルトンの態度に問題の一部があるという意見だ。

これにはクルサードも同じ意見だ。「ルイスは今、少し破滅的なように見える。ライバルと比べるとね」それでもクルサードは、ラウダが言う、ルイスがほかのドライバーの安全性に対して脅威となっているとの主張には反対のようだ。

ハミルトンの広報は、「ニキの見解は尊重するが、この件については間違っている。ルイスは、アクシデントを起こしたことでスチュワード(レース審議員)に問題を説明し、疑念は晴れた。意図的にほかのドライバーをコースアウトさせたり、ケガさせたりするようなことは決してない」と主張している。

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