7月10日に決勝が行われるイギリスGPから規制される見込みのブロウン・エキゾースト。この規制によって、どのような影響があるのか注目が集まっている。
現在は、レッドブルがタイトル争いを大きくリードしていることもあり、フェラーリはイギリスGP後、来シーズンへ向けた開発にリソースをシフトする可能性もあると言われている。
先日、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)はロンドンの会合で、ブロウン・エギゾーストの技術に対する取り締まりを決定し、大きな話題になっている。この決定は、イギリスGPから有効になる予定だ。
ブロウン・エキゾーストは、ダウンフォースを発生させるディフューザーへ排気ガスを流すことで、ディフューザーの効率を向上させるシステム。問題となっているのは、アクセルを踏んでいないときに排気ガスがディフューザーへ流れなくなるのを防ぐため、アクセルを踏んでいないときにも排気ガスをディフューザーへ流す機構だ。
ブレーキングやコーナー進入時にアクセルを踏んでいない状態のとき、排出されるガスの量はアクセル全開時の10%以内にとどめなければならないとする新たなルールは、イギリスGPから適用される予定だ。
今シーズン圧倒的な強さを見せるレッドブルは、このブロウン・エキゾーストをうまく活用できていると見られ、マクラーレンなどは、今回の決定によってレッドブルのパフォーマンスに影響が出ることを期待している。
マクラーレンのドライバーであるルイス・ハミルトンは、「ルール変更がちょっとした変化を与えてくれるだろう」と予測した。
フェラーリのテストドライバーを務めるマルク・ジェネは、『El Mundo(エル・ムンド)』に、「ほかのチームは、何がレッドブルを最強にしているかはっきりと知らないんだ」と語り、次のように続けた。
「たぶん、いろんなことが総合しているんだと思うけど、レッドブルが最初にブロウン・エキゾーストを開発したのは秘密でも何でもないし、今ではかなり高いレベルまで開発は進んでいる」
スペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』によると、フェラーリのチーム代表のステファノ・ドメニカリが、シルバーストンをチームの方向性を決断すべきレースと考えていることを認めたようだ。
「今はバレンシア(ヨーロッパGP/26日)でポイントをとることが必要だ。その後、シルバーストンを見ればいい。シルバーストンではルール変更の真の影響が見られるだろうね」
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』は、レッドブルがブロウン・ディフューザー禁止に怒りを見せており、今回の規制決定の経緯がルールに反したものだと主張しているという。
レッドブルの技術責任者エイドリアン・ニューイも、カナダGPの際、次のように語っていた。
「私は安全性などの問題から、シーズン半ばにルールを変更することに同意したんだ。だが、これはそういう問題じゃない。これは不合理だ」