ザウバーは、現在リザーブドライバーを務めるエステバン・グティエレスをあわててF1に送り込むのではなく、もっと時間をかけて育てたいと考えているようだ。
グティエレスは、ザウバーでレースドライバーが出場できなかった際の控えドライバー役、リザーブドライバーを務めている。しかし、カナダGPで同チームのレースドライバーであるセルジオ・ペレスが体調不良により急きょ欠場となった際、グティエレスは代役としてレースに出場する機会を与えられなかった。
さらにグティエレスにとって悔しいことには、マクラーレンのリザーブドライバーであるペドロ・デ・ラ・ロサがペレスの代役となったこと以前に、グティエレスはカナダに召集すらされていなかったのである。
グティエレスが失望しているとの話を受け、ザウバーのチーム代表であるペーター・ザウバーが16日(木)、ドイツの『Speed Week(スピード・ウィーク)』にこう説明している。
「質問の意味はわかるが、私たちにはグティエレスに対する責任がある。もっと時間をかけて彼をF1に連れてくることが大切なんだ」
日本人ドライバーの小林可夢偉と並んで、ペレスとグティエレスという2人のメキシコ人ドライバーを擁するザウバー。現在はメキシコの大富豪であるカルロス・スリムの企業に多くの支援を受けているという背景もある。それらの支援を長く受けるためにも、若いメキシコ人ドライバーにリスクを負わせず、大事に育ててゆきたいという思いがあるようだ。