F1ボス、エンジン問題で統括団体FIAを訴える?

2011年07月05日(火)

F1の最高責任者であるバーニー・エクレストンが、将来のF1エンジン規定をめぐり、F1統括団体FIA(国際自動車連盟)の首脳部を相手取って訴訟を起こす可能性があるようだ。

もともとFIAは2013年からの4気筒エンジン導入を決めていた。しかし、いくつかのチームやエンジンメーカーがこれに難色を示したことにより、結局2014年からV6エンジンを採用するという妥協案がまとまった。だが、エクレストンをはじめ、多くのレース主催者たちはそれに満足していないようだ。

V6エンジンの音は、現状のV8エンジンのものほど魅力のあるものとはならないだろうという懸念により、レース主催者たちは先週、もしF1がV6エンジン導入を決定すれば、F1をボイコットして代わりに、アメリカの人気シリーズ、インディカーを誘致するとしていた。

『The Independent(インデペンデント)』によれば、エクレストンは現在、訴訟を起こすとFIAに圧力をかけているという。

「各サーキットのレース主催者たちは、新しいエンジンがF1レースを見に行くときに観客が期待しているもの、すなわちカッコよさと大きなエンジン音を失ってしまうと考えている。だからチケットも売れなくなるだろうし、われわれに対する支払いだってできなくなってしまうだろうとね」

「彼らには私との契約があるが、もし彼らがチケットを売ることができないためにそれを履行することができないとしたら、多分私は彼らに無理強いはできないだろうね」

そして、エクレストンは主要なサーキットとの契約を守るためには「FIAを訴える必要があるかもしれない」との警告を発しているという。

エクレストンとレース主催者側、そしてもう一方にフェラーリのような強いチームたちと手を組んだFIA側、2つの勢力による争いという憂慮すべき状況ができあがってしまったようだ。

フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼモーロは『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』へ次のように語っている。

「2014年以降、V6ターボエンジンを採用するというのは正しい選択だし、常識が勝利したことをうれしく思っている。それはわれわれが一緒に行動しているということを示しているんだ」

「バカげた方向に足を踏み入れさえしなければ、このスポーツ(F1)で多くのことを成し遂げることができるよ」

一方で、エクレストンは主要なF1チームがFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)の傘のもとに団結し、F1の商業権を買収しようと考えているという推測をこう一蹴した。

「(F1へかかわらずに)レースができるだけの十分な資金を持っているのはごく一部のチームにすぎない」

また、FOTAの会長であり、マクラーレンのチーム代表でもあるマーティン・ウィットマーシュは、「F1では過去20年にわたって“かなりひどい”マネジメントが行われてきた」との発言を行った際、それはエクレストンのことを指しているのかと問われ、次のように答えている。

「バーニー(エクレストン)のことを言ってるんじゃなくて、自分自身への評価のつもりさ。われわれ(F1)は世界で3番目の規模を持つスポーツイベントなんだ。だがわれわれは、ナンバーワンにならなきゃいけない」

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