イギリスGP決勝で、レッドブルのマーク・ウェバーがチームメートであるセバスチャン・ベッテルの背後にせまったとき、チームからは順位を変えないよう指示する「チームオーダー」が出された。しかし、この件についてはいまだにスッキリとしていないようだ。
1年前のイギリスGPでは、ウェバーの新型フロントウイングが取り外され、それがベッテルに渡されるということがあった。このレースでは結局、新型ウイングを取り上げられたウェバーが勝利を収めたが、そのときウェバーは怒りを込めてこう言っていた。
「ナンバー2のドライバーにとって(この勝利は)悪くないね」
ベッテルが2010年のタイトル獲得に向けて突き進んでいたとき、レッドブルはチームオーナーのディートリッヒ・マテシッツの哲学に沿わないチームオーダーは行わないと言っていた。
しかし、今年のイギリスGPの終盤、ウェバーが先行するベッテルをとらえて2番手へ浮上しようとしていたとき、ウェバーはチーム代表のクリスチャン・ホーナーから無線でこう伝えられたのだ。
「今の順位を維持するように」
昨年までは、レース結果を左右するチームオーダーはルールで禁じられていた。しかし、今年からこのルールは廃止されている。レース直後には、チームオーダーに激怒したウェバーが何度も指示を無視していたとも伝えられている。
ホーナーは、この件に関して『BBC』へ次のように語った。
「マークのフラストレーションはよく分かるよ。でも、われわれはポイントを無駄にはできない」
「彼(ウェバー)はそれで納得しているはずだ。彼はチームプレーヤーだからね」
一方のウェバーは、こうコメントしている。
「チームからは4つか5つのメッセージをもらって、僕はベストを尽くそうとしたよ」
3位でゴールしたことで、1年前のようなことが繰り返されたと感じているか、と問われたウェバーは次のように答えている。
「それほどでもないよ。僕は最後までレースをしたかっただけだ」
「もちろん彼ら(ベッテル側)はポイントが欲しいだろうね。でも僕だって同じようにポイントを取る必要があるんだよ」