F1界のボス、エンジン・メーカーのジル・シモン雇用を懸念

2011年08月11日(木)

先月、元BARホンダ(メルセデスGPの前身)のチーム代表であったクレイグ・ポロックが設立したエンジン・メーカーPURE(Propulsion Universelle et Recuperation d’Energie社)が元フェラーリのエンジン責任者ジル・シモンの雇用を発表した。しかし、この雇用によって、ほかのエンジンメーカーの間で情報流出に対する懸念が広がっている。

さらにF1の最高権威者バーニー・エクレストンも、2014年のエンジン・サプライヤーとなることを目指すPURE社へのジル・シモンの雇用に対し、F1エンジンメーカー各社がこのような懸念を示すのは当然であると認めた。

PURE社の新テクニカル・ディレクターとなったシモンは、フェラーリやマクラーレンに在籍した経験があり、最近までF1の統括団体FIA(国際自動車連盟)に勤務、現行の2.4リッターV8エンジンの後継となる、排気量の少ないエンジン開発におけるルール制定を監督していた。

自動車メーカー、ルノー傘下のエンジン・サプライヤーであるルノー・スポールF1社のロブ・ホワイトは、今回のシモンの雇用は、「今までシモンは(FIAのプロジェクトを通して)重要情報への先例のないアクセスが与えられていただけに、非常に心配だ」と話した。

この新たな論争について、エクレストンはまず「(シモンは)FIAとの契約で制限されていなければ、PURE社に移ることはできる」と明白にしたうえで、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・ スポルト)』に次のようにコメントした。

「もちろん、FIAのプロジェクトで全チームの情報を入手したあとに、再びエンジニアとして起用されるのはよくない。正しいとは思えない」

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