イモラにF1カレンダー復帰の可能性があるようだ。
2006年まで、イタリアGPやサンマリノGPの開催サーキットとしてF1カレンダーにその名を刻んでいた、イタリアの有名なサーキット、イモラ。イタリアの名門、フェラーリ本社からほど近く、かつてはモンツァと並んでティフォシ(フェラーリの熱狂的なファン)が集う歴史ある高速サーキットとして知られていた。
しかし、1994年に伝説的F1ドライバーのアイルトン・セナと当時新人であったローランド・ラッツェンバーガーがクラッシュし、この世を去る悲劇に見舞われた。それ以降はコーナーの増設などで中速サーキットに姿を変え、開催を重ねていた。だが、老朽化が進んでいた施設刷新の遅れや、値上がりするレース開催費により、F1の商業面を取り仕切るバーニ―・エクレストンもついに「申し訳ないがイモラでのレースは行わない」とイモラでの開催継続を断念した。
それ以降、イモラは変貌を遂げた。ピットのビルは完全に新しくなり、ピットレーンとパドックは著名なF1サーキットデザイナーであるヘルマン・ティルケの手によって監修された。しかし、アウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリの正式名称を持つイモラの格付けは「1T」にとどまり、そのランクではF1での使用はテストに限られてしまう。
ところが最近、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)のF1技術部門責任者チャーリー・ホワイティングによって行われたの視察の後、F1レースを開催することができる最高ランクの「1」が承認されたという。
「目的が達成されたことを誇りに思う。これは私たちが正しい方向に向かって作業を続けていた証だ。この許可によって、イモラは再びF1を開催できるサーキットとなった。それなので、ここで歩みを止めることはない。もし今後、適切な経済状況になれば、いかなる挑戦にも立ち向かっていく」とサーキット責任者のウォルター・スキアッカは述べた。