今週末にモンツァで開催されるイタリアGPで勝利を収めることは、レッドブルにとって唯一残された弱点を克服したという証明になるだろう。
レッドブルが搭載するルノーエンジンは、他のトップチームが搭載するエンジンよりも非力だとされている。そのため、長いストレートが特徴で、直線での最高速が重要になるスパ・フランコルシャンで2週間前に開催されたベルギーGPでは、レッドブルの苦戦が予想されていた。しかし、ベルギーGPはセバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーによるレッドブルの1-2フィニッシュに終わった。
だが、スパのコース中盤には、レッドブルが得意とする高速コーナーが連続しており、レッドブルに向いているとも言える。そのため、サーキットのほとんどを全開で駆け抜けるモンツァのレースが、2011年のレッドブルにとって最大の試練になるであろうと予想されている。
デザイナーであるエイドリアン・ニューイが設計したレッドブルのマシンは、これまでにもモンツァで苦戦を強いられてきた。唯一とも言える例外が2008年。レッドブルと同じ基本設計のマシンを使用するトロ・ロッソに在籍していたベッテルが優勝したレースだ。しかし、この年のレースは雨に見舞われたレースだった。
「だからこそ、彼(ニューイ)は少ないダウンフォースでの走行が求められるサーキットに適した空力パッケージの開発へ、特に力を入れて取り組んでいるんだ」とレッドブルの代表クリスチャン・ホーナーがドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』紙に語った。
しかし、現在のF1界で最強と評されているメルセデスエンジンを搭載するマクラーレンのルイス・ハミルトンは、ストレートの多いコースでレッドブルのペースが不足しているという意見に対して懐疑的になっており、「もうルノーエンジンのせいで不利かもしれないなんて聞くのはうんざりだね」とコメントした。
ウェバーも「僕たちはベルギーGPで最高の結果を手にすることができた。モンツァでも同じ成功を収めたいね」とイタリアGPに向けた期待を述べている。