フェラーリのフェリペ・マッサが、モンツァ・サーキットで行われるイタリアGPに向けた意気込みを語った。
フェリペ・マッサ
「ベルギーGP後、ミーティングやシミュレーターでの作業をしながらファクトリーで少し過ごしたよ。それ以外は、モナコにいたんだ。水曜(7日)にはマラネロ(ファクトリー)に戻ってきて、プロモーションの仕事をこなしたり、458スパイダーのワールドプレミアに参加したりした。そして、イタリアGPのためにモンツァへの短いドライブに出たんだ」
「僕が今週末をとても楽しみにしているなんて、あえて言う必要はないだろうね。初めてイタリアでレースを戦ったのは、2000年のことだった。フォーミュラ・ルノーで走っていたんだ」
「イタリアは、自分の母国という感覚が強いよ。僕の祖父はイタリアの南部で生まれていて、僕にはイタリアの血が流れているからね。僕の家族は、ブラジルでもイタリアのしきたりを大切にしていたんだ。だから、F1ドライバーになるという夢に向けてキャリアを進めるのに、イタリアへ引っ越すのは自然な流れだったんだよ」
「みんなからイギリスへ行くべきだと言われたのを覚えている。そうじゃないと、F1には行けないと言われていたんだよ。でも、僕の選択は違った。僕はイタリアでのキャリアを選んだんだ。この決断がうまくいったようだね。僕はF1ドライバーになれただけではなく、フェラーリのF1ドライバーになったんだから!」
「そんなわけで、イタリアは僕にとってとても重要な国だし、来るのがとても楽しみなんだ。特にレースがね。僕の人生にとっても大きなことだし、今週末はチームにとっての母国レースでもあるから、間違いなくモンツァでの週末は特別なものになるよ」
「モンツァでの初レースのことは、今でも覚えている。フォーミュラ・ルノーで走っていて、2レースあったんだ。土曜にイタリアの選手権があって、日曜にヨーロッパ選手権だったけど、僕はその両方で勝った。これがイタリアで初めてのレースではなかったけどね。イタリアでの初レースはムジェロだったんだけど、うれしいことにそのレースでも僕は勝っていたんだ」
「初めてイタリアへ来たとき、モンツァからとても近い場所、エルバというところに住んでいた。僕が所属していたチームの作業場が向かい側にあったから、そこには1年間住んだよ。当時のチームボスが持っていた家だったんだ。だから、今週末は僕にとって第2の母国レースみたいなもので、毎年モンツァのパドックでは、レースで昔お世話になったたくさんの人たちに会うんだ」
「話を2011年に戻すと、今週末は僕たちにとってとても重要な週末になる。今年最後のチャンスになるというような意味ではないけど、自分たちのためにも、チームのためにも、そしてファンのために最高な結果を残したいからね。スパ(ベルギーGP)は、僕たちにとって最高な週末にはならず、寒い天候がタイヤの問題を悪化させた。今週末も同じコンパウンドのタイヤを使うことになるけど、気温はだいぶ高くなってくれるだろうからね」
「最高速の高いクルマが必要になるよ。ほかのチームと同じように、僕たちも特別なモンツァ仕様のダウンフォースを少なくしたセットアップにする。小さなウイングをつけて、フリー走行ではクルマのバランスを確認し、低速のシケインを抜けるいい加速と、縁石をうまく処理することが必要になる。特に予選では、いいタイムを出すのにこれが不可欠なんだ」
「レースでは、追い抜きをたくさん見ることができるだろうね。高速なコースだし、(決勝で)DRSを使える区間が2カ所になるからね。だからといって、最終周のパラボリカ(最終コーナー)で2番手につけていることで有利になるとは思わない。もしクルマがうまく仕上がっていれば、パラボリカの前に抜いて、(DRS作動の条件になる)1秒以上の差を作るほうがいい戦い方だよ」
「でも、最終周まで争うようなことになれば、そういった展開になる可能性もある。そうなったら、とても興奮するレースになるね。シーズンもここまで進んでくると、フェラーリ、マクラーレン、そしてもちろんレッドブルが優勝候補になることは簡単に予想できるね」
「ただ、メルセデスGPが最高速ではトップを狙えると証明した。このコースでは最高速が重要なんだ。だから、彼らもレースの最終結果には大きな影響を及ぼすかもしれないね」
「モンツァは、ヨーロッパでの今年最後の戦いになる。今シーズンの僕たちはうまくいっていないから、完ぺきに仕事をこなして、ティフォシ(熱狂的なフェラーリファン)が望んでいる結果を残すことが、より大切になるんだ。僕としても、歴史あるモンツァの公園のゲートを木曜(8日)にくぐり、金曜の(9日)の朝から走り始めるのが楽しみだよ。去年の3位を上回る結果を残したいね」
「ピットレーンにせり出している表彰台の上から観客を見渡すのは、最高な感覚なんだ。日曜(11日)にまた味わいたい」