F1第13戦イタリアGPレースレポート

2011年09月11日(日)

2011年F1第13戦イタリアGP決勝が、9月11日(日)の現地時間14時(日本時間21時)からモンツァ・サーキット(1周/5.793km)で行われ、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が圧倒的な強さで優勝。小林可夢偉(ザウバー)はリタイアとなった。

レース開始時の天候は晴れ、気温29℃、路面温度は41℃。4番手スタートのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が見事なスタートを決め、トップで第1シケインに進入。ポールポジションからスタートしたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は2番手に後退。これにより、グランドスタンドに集まったフェラーリファンから大歓声が上がった。

また、第1シケインで多重クラッシュが発生し、中団グループで多くのクルマがこれに巻き込まれた。小林可夢偉(ザウバー)もここでフロントウイングを失い、ノーズ交換のためピットへ。可夢偉はこれと同時にハード側タイヤからソフト側タイヤへ交換した。このクラッシュにより、セーフティカーが導入されている。

4周目からレース再開。アロンソがトップを守る中、4番手のミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)がルイス・ハミルトン(マクラーレン)を抜いて3番手に。第2シケインでベッテルがアロンソに仕掛けるが、アロンソはトップの座を譲らない。次の周もベッテルはホームストレートでアロンソのスリップに入り、第1シケインへのブレーキングで並びかけるが、アロンソがトップを死守。

しかし、第2シケインへ向けて再びベッテルがアロンソに並びかける。ベッテルは芝へタイヤを落としながらアロンソを抜き、ここで首位に浮上した。一方、その後方ではフェリペ・マッサ(フェラーリ)を抜こうとしたマーク・ウェバー(レッドブル)がマッサに追突。これでフロントウイングを失ったウェバーは、最終コーナーのパラボリカでクラッシュしてクルマを降りた。

ベッテルはトップに立つと、ファステストラップを更新しながらアロンソとの差を一気に広げていき、9周目終了の時点で両者の差は5.1秒になった。また、ハミルトンがDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を駆使しながらシューマッハを抜こうとするが、シューマッハはストレートでのスピードが非常に速く、ハミルトンはブレーキングで並びかけることすらできずにいる。

13周目、パラボリカでシューマッハのリアがやや流れ、ようやくホームストレートでハミルトンがシューマッハに並びかける。そして第1シケインへのブレーキングでハミルトンがシューマッハの前へ。しかし、第2シケインに向けてシューマッハがハミルトンに並びかけ、シューマッハがハミルトンを抜き返した。

16周目、第2シケインへ向けたゆるい右コーナーでシューマッハがハミルトンを芝へ押し出す。これでバトンがハミルトンの前に立ち、この周のアスカリ・シケイン(8~10コーナー)でバトンがハミルトンを抜いて3番手に。そして、この周の終了時にシューマッハがタイヤ交換のためピットインした。次の周にはバトンもタイヤ交換を行った。その次の周にはハミルトンもタイヤ交換を行っている。

19周目終了時には2番手アロンソがピットへ。これを見て次の周にベッテルが1回目のピットストップを行う。1回目のピットストップを終えると、再びバトン、シューマッハ、ハミルトンという順になっており、ハミルトンはまたもシューマッハを抜くことに苦戦。シューマッハは巧みなライン取りと最高速のアドバンテージを利用し、ハミルトンを抑えている。

23周目、一時は10番手にまで浮上していた可夢偉にトラブルが起きたようで、パラボリカ手前のストレートでコース脇にクルマを止め、クルマを降りてしまった。その一方、3番手に浮上したバトンが速いペースで走行しており、2番手アロンソに急接近。24周目終了時には、両者の差が1.3秒にまで縮まった。

シューマッハに対し、ブレーキング時にハミルトンへスペースを残すようメルセデスGPのチーム代表ロス・ブラウンから指示が飛んだ。シューマッハがルール違反となる2回以上の進路変更をしていると無線でチームに訴えていたことから、これを受けてブラウンがシューマッハに指示したものと思われる。

27周目、アスカリへの飛び込みでようやくハミルトンがシューマッハの前に。シューマッハを抜いたハミルトンは一気にペースを上げ、3番手バトンを追っていく。その一方、トップでもベッテルがペースを上げており、ファステストラップを更新しながら走行。2番手アロンソとの差は、30周目終了時点で約14秒になっている。

33周目終了時にバトンがピットへ。アロンソよりも先にピットへ入り、ピットストップでアロンソを抜くことを狙ったが、ピットイン時にはルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)に前をふさがれてしまう。次の周にアロンソとハミルトンがピットイン。ピットアウトした周にバトンのペースが上がらなかったことも影響し、アロンソがバトンの前でコースへ復帰した。

35周目終了時にベッテルが2回目のピットイン。そして36周目の第1シケインからの立ち上がりでバトンがアロンソを抜く。アロンソは第2シケインへのブレーキングでバトンに並びかけたが、バトンが順位を守った。その後、レース終盤のトップ勢は各車とも同じようなペースで走りこう着状態に。

結局、ベッテルは首位の座を取り戻したあとは一度もトップを譲らず。ポール・トゥー・ウィンで今季8勝目を決めた。かつてのような闘志あふれる走りを見せたシューマッハは、5位でレースを終えている。

イタリアGP終了後ランキング
【結果】イタリアGP決勝、各ドライバーのタイム、タイム差など

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