ロータス・ルノーGPとウィリアムズが移籍市場の中心に

2011年09月22日(木)

2012年に向けたドライバー移籍において、ロータス・ルノーGPとウィリアムズが中心的な存在になっているようだ。

ロータス・ルノーGPのエースとして活躍が期待されていたロバート・クビサは、今年の2月に参戦していたラリーでひん死の重傷を負うクラッシュに見舞われてしまい、今シーズン中のレース復帰は絶望的な状態だ。クビサは驚異的なペースで回復しているものの、来月に市販車をベースにしたクルマで運転の再開をする計画があるだけで、実質的な復帰のめどは立っていない。

そんな中、ロータス・ルノーのチーム代表エリック・ブーリエは、10月の中旬までに来季のドライバー陣を決めたいと最近に語っていた。

ジェニイ・キャピタルによって運営されているロータス・ルノーGPは、昨年にデビューしたロシア人ドライバー、ビタリー・ペトロフとの契約をすでに1年延長している。もう片方のシートは、ベルギーGPからレースドライバーに昇格したブルーノ・セナと、サードドライバーを務める傍ら、F1への登竜門と言われているGP2で今季の王者になったロメ・グロジャンが候補だとされている。

2012年に向けて各チームが続々とドライバーを決定し、残るシート争いが激しくなる中、ロータス・ルノーGPはまだドライバーラインアップが決まっていない、数少ない魅力的なチームと言える。

現在も来季のシートが決まっていないドライバーは多く、ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)やエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)など、経験のあるドライバーも含まれている。また、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)や、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア/リザーブドライバー)など、決して評価の低くないドライバーもシートが確定していない。

ではこのように多くのドライバーがシートを必要とする可能性があるにもかかわらず、なぜブーリエは来季のドライバー決定を急ぐ必要があるのか?

「もしかしたらクビサは10月中旬までに2012年シーズンへ参戦できると断言できないかもしれない。ドライバー決定の厳しい期限によって、クビサはすでにシートを失ったのか?」とドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』も疑問を投げかけている。

クビサにはチームに巨額の資金を提供できるような大口のスポンサーはいないが、クビサにとっての選択肢のひとつはウィリアムズかもしれない。

しかし、ウィリアムズがバリチェロを放出し、資金を持ち込めるドライバーの獲得に乗り出す可能性もある。

スーティルが、個人スポンサーとなっているドイツのPCメーカー、メディオンの支援を利用して、ウィリアムズのシート獲得に動くのではないかという説も出ているのだ。

そして、2007年のF1チャンピオンで、現在はWRC(世界ラリー選手権)に参戦するキミ・ライコネンや、スーティルがウィリアムズの本拠地を訪れたという件に関して広報担当のクレア・ウィリアムズ報道担当者に問い合わせたところ、「申し訳ありませんが、この件に関してのコメントはありません」という答えしか返ってこなかった。

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