レッドブル関係者が、早ければ2012年にも同チームがルイス・ハミルトン(マクラーレン)獲得に乗り出す可能性があると認めた。
ハミルトンは、幼少期からすでにマクラーレンと契約を結び、22歳となった2007年にF1デビューするまで、マクラーレンが手塩にかけて育ててきたドライバーだ。そのため、両者のつながりは非常に強いものとなっており、現在のマクラーレンは「ハミルトンの庭」と表現されることもある。
また、多くのドライバーが「いずれはフェラーリで走るのがドライバーの夢」と語る中、ハミルトンはフェラーリに移籍するつもりはないとして、「僕はいつだってシルバーのクルマ(マクラーレン)に夢中だった」とマクラーレンへの思い入れが強いことを明かしていた。
しかし、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは最近、ハミルトンのことを「偉大なドライバーだ」と表現した上で、もしマクラーレンの不調が続いた場合、ハミルトンはレッドブルへの移籍を希望するだろうとコメントした。
その後、ハミルトンはレッドブル移籍の可能性を否定し、冬のテストで不調だったマクラーレンも開幕戦では速さを取り戻し、ハミルトンは2位でレースを終えていた。だがハミルトンは、開幕戦が行われたオーストラリアで、次のようにも話している。
「もちろん、しばらくF1にいるつもりだよ。それに、今後どういった風向きになるのか分からない」
レッドブルは、昨年にF1の史上最年少王者となったセバスチャン・ベッテルと2014年までの契約を結んでいる。その一方で、チームメートのマーク・ウェバーとは今季限りの契約になっており、ウェバーが今年で引退するとのうわさも絶えない。
ウェバーが今季限りで引退し、その後任としてハミルトンがレッドブルへ移籍。今後のF1を支えていくであろう若いトップドライバー2人が同じチームで戦う。そんなシナリオが現実になるのだろうか? レッドブルのモータースポーツコンサルタントであるヘルムート・マルコが、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』へこう語った。
「まずは、マークがどんなシーズンを過ごすのか、そして彼がどんな決断を下すのか見守る必要がある」
「あの積極的な走り、そしてスピードによって、当然ハミルトンは常にわれわれの中でも話題になっていた。最も速い2人をチーム内にそろえるのがわれわれのやり方だ」