先のハンガリーGP(7月31日決勝)から次戦のベルギーGP(8月28日)までの期間は各F1チーム約1カ月間の夏休みとなる。それに伴い各チームのファクトリーは強制的に閉鎖されるが、一部のメディア関係者は来シーズンに向けてのスクープのために取材を続けている。
その中でうわさされているひとつのシナリオが、マクラーレンのドライバー、ルイス・ハミルトンが、2007年シーズンに同じマクラーレンに在籍し、熾烈(しれつ)なチームメートバトルを繰り広げたライバル、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と再びフェラーリでタッグを組むのではというものだ。だが、一部の関係者はこの憶測に関して否定的な考えをもっている。
しかしハミルトンは今週、アロンソと一緒に働くことでドライバーとして成長することができたと認めたうえで、将来フェラーリに移籍する可能性もあり得るとした。
ハミルトンはスペインの『AS』紙に対し、「これから先、何が起こるかはわからないけど、フェラーリは歴史と栄光のある素晴らしいチームだ」と語った。
さらに『Telegraph(テレグラフ)』紙のトム・クレイ記者は、フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリがフェラーリもまたハミルトンのことを高く評価しているとのコメントを報じた。
問題視される振る舞いが見受けられる今年のハミルトンだが、それによって評価が下がっているかとの質問に対し、ドメニカリは「いいや。そんなことは全くない。いつも言っているように、現在このF1世界選手権に参戦しているドライバーの中でフェルナンド、ルイス、セバスチャン(ベッテル/レッドブル)がトップ3であると考えている。その点においての私の見解は少しも変わっていない。しかし現時点においては、われわれのチームのフェリペ(マッサ)とフェルナンドの両ドライバーに集中しているよ」と答えた。
またドメニカリはハミルトンのいつでも全力で攻めて走る姿勢も高く評価している。ウエットコンディションで各ドライバーがセーフティカーの後ろで隊列を組んで走行している際の、チームとドライバーの無線でのやり取りを例に挙げ次のように語った。
「他のドライバーたちが“水しぶきで何も見えやしない。こんな中でレースなんかできっこない”ってピットに伝えている中、ルイスだけが“いやいや。レースをしよう”って言っているのが聞こえるんだ。たまにおかしく思える時もあるけど、ドライバーがそのような気持ちでレースに臨むことはとても素晴らしいことだ」
なお、アロンソはフェラーリと2016年まで契約を延長したが、マッサのフェラーリとの契約は2012年で満了となる。そして、ハミルトンとマクラーレンの契約も2012年をもって終了となる。