チーム・ロータスのリザーブドライバーを務めているカルン・チャンドックは、モータースポーツからすべての危険性を排除するべきではないと主張している。
16日(日)に開催されたアメリカを代表するレースシリーズのインディカー最終戦で、ダン・ウェルドンが多重クラッシュに巻き込まれ命を落としてしまったのに続き、23日(日)にマレーシアで開催されたバイクレースの最高峰MotoGPではマルコ・シモンチェリもレース中の事故によってこの世を去ってしまった。
世界最高峰のカテゴリーでレース中の死亡事故が続いたことを受け、モータースポーツの危険性をさらに排除するべきだとの意見が出ている。
F1は1994年、サンマリノGPで伝説的F1ドライバーのアイルトン・セナと当時新人だったローランド・ラッツェンバーガーが事故で他界してしまったのを境に、今日に至るまで安全面の強化が進められてきた。それもあって現在のF1はインディーやMotoGPに比べると比較的安全であると考えられている。だが、チャンドックはレースという競技は完全に安全であるべきではないと主張している。
「F1にも危険な事故が発生する可能性は十分にある」
「でも、危険があるからこそレースは興奮するものになる。だから安全面のことを気にかけ過ぎると、レースで興奮する要素を失ってしまいかねない。コース上での自分の命運は、自分が握っているべきだよ。脅されてF1でレースをしている訳じゃない。これは僕たちが選んだ仕事なんだ」とチャンドックは『Press Trust of India(プレス・トラスト・オブ・インディア)』に語った。
チャンドックは世界のモータースポーツが「危機に直面している」などと考える必要はないと強調。そしてカルカッタの『Telegraph(テレグラフ)』は、次のようなチャンドックのコメントを掲載した。
「モータースポーツに危機が訪れているなんてことはない。確かに先週起こってしまった事は、この上なく悲しい出来事だ。でも事故は発生してしまうものだよ」