ウィリアムズの共同設立者であるパトリック・ヘッドが、今季限りでF1界から身を引くと認めた。
エンジニアであるヘッドは1977年、チーム代表であるフランク・ウィリアムズとともにF1チームのウィリアムズを設立。以来、ヘッドは同チームの共同オーナーであるとともに、技術面の責任者を務めてきた。
1980年代や1990年代には、タイトルを何度も獲得するなど黄金時代を築き上げたものの、2004年に1勝したのを最後に勝利から遠ざかり、低迷が続いている。2004年には、当時まだ33歳だったサム・マイケルが技術責任者であるテクニカルディレクターに就任し、ヘッドの引退が近づいたかに思われたが、チーム成績が向上しないことから第一線に復帰し、今年までエンジニアリング責任者を務めてきた。
しかし、今年ウィリアムズが株式上場する中でヘッドは、自身の所有していたチームの株式を売却。今季限りでヘッドが引退するのではないかと言われていた。そしてヘッドは『Autosport(オートスポーツ)』へ、今季限りでF1の第一線から退くことを認めた。
「引退という言葉は適さないが、来年はウィリアムズのF1プログラムに直接かかわることはない」
ヘッドはこう明かし、来年からはウィリアムズの子会社ウィリアムズ・ハイブリッド・パワーでハイブリッド技術の開発に従事すると語った。ウィリアムズ・ハイブリッド・パワーでは、F1のKERS(運動エネルギー回生システム)に採用されているバッテリー式ではなく、フライホイール式のハイブリッドを開発し、すでにポルシェがレースに投入。ほかにも、バスや電車などでも採用されている。
「ウィリアムズ・ハイブリッド・パワーで仕事をすることになる。つまらないもののように聞こえるかもしれないが、実際は非常にハイテクで、興味深い分野だ」とヘッドはコメントした。