キミ・ライコネンのチームメートとして来季ロータス(現ロータス・ルノーGP)からF1復帰を果たすことが決定したロメ・グロジャンだが、今回は負傷欠場したロバート・クビサの代役として選ばれたのではない。
クビサとロータス・ルノーGPとの間の契約はあと3週間足らずでその効力を失うことになり、もしクビサが今後F1に復帰するとなれば、その時は同チームからではなくフェラーリからとなる可能性のほうが高くなっていると考えられている。
ロータス・ルノーGP代表のエリック・ブーリエはフランスの『La Figaro(フィガロ)』に次のように語っている。
「グロジャンについて考えていることは、今後2、3年のうちに(F1で)ナンバー・ワンにするということだ」
グロジャン自身も、今回の決定はロータス・ルノーGPにとって(クビサの代役としての)応急的な解決策としてではない、と次のように続けている。
「(2012年3月のオーストラリアでの開幕戦が)もう待ちきれないよ。そこで僕がシーズンを通じてF1にエントリーするということが実現するんだ。それは初めてF1で走ったときよりもさらに素晴らしいことだ」
もちろん、グロジャンが言う“初めてF1で走ったとき”とは、2009年シーズン後半にルノー(当時)から、当時のチーム代表であったフラビオ・ブリアトーレのマネジメントのもとにフェルナンド・アロンソのチームメートとして不運なデビューを飾ったときのことだ。グロジャンは当時ルノーチームのリザーブドライバーを務めていたが、当時のアロンソのチームメートであったネルソン・ピケJr.が不振を理由に第10戦ハンガリーGP後に解雇されるとその後を受けて第11戦ヨーロッパGPでF1デビューを果たした。しかし、その後の7レースでのベストリザルトは14位と低迷し、2010年は再びF1のシートを失っている。
「あのときに比べれば成熟度が増したよ。自分自身を立ち直らせるために気合を入れ直す必要があった。全てのことがとてもうまく進んだし、今度はあのときとは違うということがわかっている。違うアプローチをすることによって、喜びがプレッシャーやストレスに勝るんだ」とグロジャンは語る。
グロジャンは、2009年と同じように、もうひとりの世界チャンピオン(キミ・ライコネン/2007年度)と共にレースをすることができてうれしい、と次のように笑いながら話している。
「もう慣れたよ。2度F1でレースをするチャンスを得たけど、そのどちらも世界チャンピオンがチームメートだからね。キミからはものすごくたくさん学べることがあると思うし、10周も走ればもう彼が2年も(F1で)ドライブしていなかったなんてことを忘れてしまうだろうね」