F1の最高権威バーニー・エクレストンが、汚職の疑いで先週、逮捕されたドイツ人銀行家への贈賄(ぞうわい)を否定した。
かつてF1を所有した『バイエリッシェ・ランデスバンク』で代表を務めていたゲルハルト・グリボウスキーは5年前、現オーナー『CVCキャピタル・パートナーズ』にF1商業権を売り渡した際、5,000万ドル(約41億5,800万円)のワイロを受け取った罪に問われている。
CVCは声明を発表。その中で彼らは「グリボウスキー氏、あるいはCVCによるF1買収で彼と関わったすべての者に対する、いかなる支払いも何ら関知、関与をしていない」と述べている。
8日(土)、こうした胡散(うさん)くさい話との関連性を問われたエクレストンは、ドイツの『Bild-Zeitung(ビルト・ツァイトゥン)』紙に次のように答えている。
「いや、ドイツの新聞による憶測や検察が抱く疑いは誤りだ。まったくバカバカしい」
グリボウスキーが知己であることは認めたエクレストンだが、「そのような支払いとは何の関係もない」と言い張っている。
「だいたい、何で私が彼に金をやらなきゃならんのだ」
ヴァージン諸島あるいはモーリシャスの銀行口座も、その存在を否定したほか、グリボウスキーの金と関連付けられている持ち株会社も知らないとするエクレストン。
「彼がどのようにして金(5,000万ドル)を手に入れたか分からない。(F1の持ち株会社)デルタ・トプコの取締役会メンバーとして彼は、わずかばかりの報酬を受け取っていた。そのことは知っているよ。なぜなら私がCEO(最高執行責任者)だったからね」語り、次のように続けている。
「いったい誰が彼に金を払ったのか、関係する銀行にきいてみるがよい」
「もしCVCが支払いと何ら関わりはないというなら、彼らは本当のことを言っていると信じてもらうしかない。この私が保証するよ」
「ドイツの新聞はよく、私があの金と関係していると書けるね。ナンセンス以外の何ものでもない。必要とあらば裁判で争う覚悟だ」と、エクレストンは警告している。