F1オーストラリアGPのレース後、技術規則の違反により失格処分を受け、2台そろっての入賞が幻となったザウバー。技術違反の事実がなぜレース後まで分からなかったのか、その理由が明らかになった。
所属する小林可夢偉とセルジオ・ペレスが、それぞれ7位と8位でレースを終え、開幕戦からダブル入賞達成と歓喜していたザウバー。しかしレース後の車検で、リアウイングのパーツが、規定の寸法を満たしていないと判明し、失格処分を受けた。
だが、車検が行われたのは決勝後だけではなく、オーストラリアGP開幕前日の24日(木)などにも車検は実施されていた。そのため、なぜ決勝後の検査まで技術違反が判明しなかったのかという疑問を投げかけるファンや関係者も多かった。
ザウバーは、オーストラリアGPへ2種類のリアウイングを持ち込んでおり、技術規則に違反していたのはそのうちの1種類のみであった。そのため、事前に技術違反の事実を把握できれば、ウイングの変更によるパフォーマンス面の影響も考えられるが、失格処分を回避できた可能性もある。
この問題について、オーストラリアGPで審判役のスチュワードを務めたポール・グートヤーは、次のように説明した。
「フリー走行前の検査は、24台のクルマが安全面の条件を満たしているか確認するためだけのものだった」
グートヤーが語るように、ザウバーが違反と指摘されたリアウイングのパーツに関する寸法が検査されたのは、決勝後のみであった。レッドブル、マクラーレン、フェラーリの2台、ビタリー・ペトロフ(ロータス・ルノーGP)、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)もザウバーと同様の検査を受け、違反はないことが確認されていた。
なお、ザウバーは製造時の寸法確認段階でミスがあり、今回の違反につながったと説明している。