ヒスパニア・レーシング(HRT)が、シルバーストンにおいて行われるイギリスGPでダニエル・リチャルドをレースドライバーとして起用することを正式発表した。
リチャルドは、レッドブルの育成ドライバーであり、今季はレッドブルの兄弟チーム、トロ・ロッソのリザーブドライバーとして、各グランプリで金曜のフリー走行1回目に出走してきた。レッドブルの育成ドライバーの中でも、最も将来有望と言われ、来季にトロ・ロッソでF1デビューを果たすことはほぼ間違いないと言われていた。
しかし、トロ・ロッソの現ドライバーであるセバスチャン・ブエミとハイメ・アルグエルスアリが、今季はいいパフォーマンスを見せていることから、この3人によるシート争いが注目されていた。
だが、急きょHRTがイギリスGPからリチャルドを走らせることに決定。レッドブル側としては、リチャルドを実際にレースで走らせることによって、F1での実戦能力を見極める意図があるとみられる。
F1デビューが決定したリチャルドは、次のようなコメントを残した。
「僕としては、まさに夢がかなったという感じだね。初めてF1のスターティング・グリッドに並べるんだ! これがほんとうなのか信じられなくて、自分のことを何度かつねってみたよ。それぐらい興奮しているし、シルバーストンで走るのが待ち遠しい」
「新しい挑戦、新しい経験、新しいチームになるけど、準備はできているし、全力を尽くすよ」
なお、HRTはリチャルド加入について「ダニエル・リチャルドが公式ドライバーとしてナレイン・カーティケヤン、ビタントニオ・リウッツィに加わる」と表現しており、今後はリチャルドとカーティケヤンが交代でレースに出場、もしくはカーティケヤンの母国レースであるインドGP以外はリチャルドが出場するという形になるとみられている。