来季のシートについてさまざまな憶測が流れているルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)だが、そのシートの後任候補として新たな若手ドライバーの名が挙がっている。
今回ベテランF1記者から名前が挙がったのは、現在F1直下のカテゴリー、GP2シリーズでも活躍しているジュール・ビアンキだ。ビアンキはフェラーリのドライバー育成プログラムに所属し、フェラーリのテストドライバーも務めている。
F1の最多出場記録を更新中である現在39歳のバリチェロは、ウィリアムズとの契約更新をまだ待っている状態だ。だがバリチェロの母国ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』の記者リビオ・オリッキオは、バリチェロのウィリアムズ残留は「フランク・ウィリアムズ(ウィリアムズ/チーム代表)が資金を必要としている」という理由から「確証はない」としている。
オリッキオによれば、現在ウィリアムズの主な資金源はバリチェロのチームメート、パストール・マルドナードのスポンサーであるPDVSAや、F1のテレビ放映権からの収入、ランスタッド、ロイター通信、AT&Tやオリスといったスポンサーからの援助が占めているという。それらを合わせたチームの予算は1億ドル(約77億円)で潤沢とは言えない。これに対しバリチェロへの報酬は、500万ドル(約3億8,000万円)とされている。
さらにオリッキオは次のように述べた。
「ドライバー市場には、ステファノ・コレッティ、ダビデ・バルセッキ(チーム・ロータス/テストドライバー)、サム・バード、そしてジュール・ビアンキといった有望な若手ドライバーがいる。彼らを(バリチェロへの報酬と)同等のコストで獲得し、F1デビューさせることができる」
「その中でビアンキは、現在フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA/若手ドライバー育成プログラム)にも所属はしているが、フェラーリで戦う事を夢見る前にまず、自分に何ができるか証明しなければならない。ウィリアムズは良い出発点だ」
現在22歳のビアンキはフェリペ・マッサ(フェラーリ)と同じく、元フェラーリチーム代表ジャン・トッドの息子、ニコラ・トッドがマネジメントをしている。今年はGP2で苦戦を強いられているが、フェラーリでの評価は高い。