フォース・インディアの来季シートをめぐり、2人のドライバーが争いを繰り広げている。
現ドライバーであるエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)は、2012年に向けて最初に契約交渉を行うのはフォース・インディアであると語った。
現在28歳のスーティルは、2007年にフォース・インディアの前身となるスパイカーでF1デビューを飾ると、チームの名前とオーナーが代わりながらも同チームに所属してきた。
しかし2012年シーズンにおいては、チーム代表であるビジェイ・マリヤがチームメートのポール・ディ・レスタを残留させる意向を示しており、スーティルはテスト兼リザーブドライバーのニコ・ヒュルケンベルグと残りひとつのドライバーシートをかけて争うこととなった。
スーティルは、シート争いの相手であり、自身と同じくドイツ出身のヒュルケンベルグについて、『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルド・モートアシュポルト)』にこう述べている。
「ヒュルケンベルグは昨年ウィリアムズで良い結果を残したのだから、もう一度チャンスを与えられる資格はある」
ヒュルケンベルグは、昨シーズンにウィリアムズでF1デビューを果たし、ポールポジションを獲得する活躍も見せたが、わずか1シーズンで放出され、今シーズンはフォース・インディアでテスト兼リザーブドライバーとして各レースでフリー走行1回目の走行を担当している。
しかし、再びレースドライバーになることをヒュルケンベルグも強く望んでおり、それがかなわなければF1を離脱するとすら話している。
「フォース・インディアにうまく溶けこむこともできたし、2012年にもう一度レースできるという現実的な可能性を感じているよ。それにほかのチームもいくつか僕に興味を持ってくれているんだ」とヒュルケンベルグは語る。
もちろんスーティルもチーム残留を望んでおり、次のように残留に向けた思いを明かした。
「僕たちはチームとして今良い方向へ向かっていると思う。少ない予算にもかかわらず、チームの順位は現在12チーム中7位だ。ここに居られないのならばどこへ行けばいいんだい?」
「もちろんチームが僕を放出するかもしれないといううわさは耳にするよ。だけど僕は忠誠心の強い人間だ。どこよりもまずフォース・インディアと交渉する」
スーティルはドイツのコンピューター企業であるメディオンとスポンサー契約を結んでいる。これが交渉にプラスとなる可能性もある。