F1直下のカテゴリーであるGP2で今季の王者に輝いたロメ・グロジャン。ロータス・ルノーGPのチーム代表エリック・ブーリエがグロジャンのマネジメントを担当しているが、そのブーリエがグロジャンのF1復帰に太鼓判を押した。
ブーリエは、ルクセンブルクに本社を置くモータースポーツ選手のマネジメント会社グラビティを率いる立場でもある。その一方、ブーリエはロータス・ルノーGPのチーム代表でもあるため、来年の同チームが現ドライバーであるビタリー・ペトロフと現在は控えドライバーのグロジャンというラインアップになる可能性もあるとされている。
しかしロータス・ルノーGPは、今年2月に出場したラリーで事故を起こし療養中のエース、ロバート・クビサの2012年復帰を望んでもいる。そこでグラビティでは、グロジャンのシートを求めて他のF1チームと交渉中とも伝えられる。
グロジャンがF1デビューを果たしたのは、2009年のこと。当時ロータス・ルノーGPはルノーF1として参戦していたが、成績不振のため解雇されたネルソン・ピケJr.の後任としてグロジャンが選ばれた。しかし、事前のテストをほとんどせずにF1へデビューしたこともあり、思うように結果は残せなかった。
この年限りでF1シートを失ったグロジャンは、F1復帰のチャンスをうかがいながら、他カテゴリーでの戦いを続けたが、先日にGP2のタイトルを獲得。これを受け、F1復帰の機は熟したというのがブーリエの考えだ。
「今パドックで彼(グロージャン)は話題の的だよ。3戦を残してGP2のチャンピオンになったんだ。素晴らしいじゃないか。GP2の活躍は見事だった。これで彼のF1復帰は準備が整ったね」
前戦ベルギーGPで、ロータス・ルノーGPがニック・ハイドフェルドを解雇し、控えドライバーのブルーノ・セナをレースドライバーに昇格させた。GP2のタイトルを獲得した場合、グロジャンも今後のレースでレースドライバーを務める可能性があるとされたが、今シーズンは控えドライバーのままになるとロータス・ルノーGPは発表済みだ。
セナはベルギーGPで予選7番手と上々の滑り出しだったが、決勝では第1コーナーでブレーキングをミスしてクラッシュし、ひんしゅくを買ってしまった。
ブーリエは言う。「ひとつのレースだけで判断するのは難しい。ドライバーが代わったせいかもしれないし、マシン改良が功を奏したのかもしれない。今のチーム状態をより明確に知るには、モンツァ(イタリアGP/11日決勝)が好材料となるだろう」