フェリペ・マッサ「シンガポールは僕たちに合うはず

2011年09月23日(金)

フェラーリのフェリペ・マッサが、マリーナベイ・ストリート・サーキットで行われるシンガポールGPに向けた意気込みを語った。

フェリペ・マッサ
「モンツァで行われた前戦(イタリアGP)をちょっと振り返って、週末の間ずっとすてきな空気に包まれていたことをぜひ言いたいな。特にフェラーリドライバーだと、そのことを強く感じるんだ。残念ながら今季の僕たちは幸運に恵まれていなくて、それはイタリアでも変わることがなかった」

「今季の僕たちが勝つには幸運以上のものが必要だとどんなに明らかでも、ティフォシ(フェラーリの熱狂的なイタリア人ファン)たちが望むような結果を出せなかったのは残念だよ。僕のイタリアGPはウェバー(マーク・ウェバー/レッドブル)にぶつけられてスピンしてしまったあの瞬間がすべてだった」

「順位を取り戻そうと最後まで頑張って、何とか6位になることはできた。前を行くドライバー達に追いすがるだけの力があるクルマだったけれど、いったん事故で20秒もロスしてしまうと、レースは終わってしまったようなものだ。赤いレーシングスーツを着ているとモンツァでは忙しい週末を過ごすことになるけれど、チームの母国で、大勢のファンを前にしてレースをするのは楽しい」

「グランプリ終了後の12日(月)にはマラネロにあるチームのファクトリーへ行って、13日(火)はシミュレーターに乗り、翌日14日(水)にはプロモーションイベントに出席した。それを終えて、週末以外はモナコの自宅にいたよ。週末には、なんとチーム代表であるステファノ・ドメニカリの結婚式っていうとても特別なイベントに出席したんだ。すごく幸せな空気を感じたよ」

「ほんのちょっと前のことだけれど、モンツァでの週末が終わると選手権の終わりが見え始めてくるね。今年は、誰がチャンピオンを取るかについては単純に計算上の問題だけになるだろうけれども、シーズン終盤のレースに向けて僕たちが準備を進めているように、まだレースは残っているんだ」

「10週間で6戦を戦うのだからすごく忙しくなるだろうし、その中には初開催のインドGPも含まれている。今の時点から、サンパウロで開催される僕の母国グランプリ(ブラジルGP)までの間にスクーデリア・フェラーリが掲げる目標は複数のレースに勝利することだ。シンガポールでの次戦はモナコと共通点があるから、僕たちと僕たちのパッケージにとてもよく合うはずだよ。クルマのダウンフォースが最大になるようにセットアップすることになる」

「そのあとは、日本と韓国を次々に移動するレースになる。この2つのサーキットは全く似ていないけれど、ダウンフォースの大きさはとてもよく似ているんだ。そしてそのあとには、パドックの誰一人として経験のないインドGPが待っている。そしてシーズン最後の2戦はアブダビGPと、今季最終戦となる僕の母国グランプリ、インテルラゴスでのブラジルGPだ」

「残り6戦は多種多様で、できればそのすべてでいい結果を残したいと思ってるよ。そう願う一方で、シーズンのこの段階に至っては、チームが2012年のクルマに主眼を置いていることを忘れちゃいけない。だから、この6戦用にすでに用意されているパーツを除くと、150イタリア(フェラーリの2011年仕様車)に新しく手を入れるペースが落ちることになるね」

「シンガポール用に(タイヤ供給メーカーの)ピレリはソフトとスーパーソフトの2種類のコンパウンドを持ち込んでくる。この2種類は固めのタイヤよりも僕たちのクルマの特性に合っているし、もし自由に(コンパウンドを)選べるとしても僕たちはこの2種類を選ぶだろうね。でも、タイヤコンパウンドの選択はクルマのパッケージのいち要素でしかないし、今回のレースで得られる強みを最大に生かすために必死で努力するつもりだ」

「モナコの公道サーキットで僕たちのクルマに問題がなかったのは事実だから、シンガポールにも十分に前向きな気持ちをもって臨めるよ。シンガポールGPはもう3回も経験してきたから、僕らが想定すべきことも夜間レースに問題がないことももう分かってる」

「コースはしっかりと照明が当たっていて視認性に問題はないよ。明るさ以外にも、暑さがこのイベントの難点のひとつなんだ。カレンダー上で最も厳しいレースにも数えられる。レースが夜8時に始まっても暑くて蒸している上、シンガポールでのレースはシーズン中で一番長いんだ。去年はたしか、(規定によりレース終了が宣言される)2時間にあと数分のところまでレースが続いたから、肉体的には決して簡単じゃないよ。それを頭に入れて、この週末に向けて厳しいトレーニングをしているところなんだ」

「ヨーロッパを遠く離れて6つのグランプリをこなすから、全部が遠征レースっていうのはちょっとやりすぎな感じもあるけれど、それも仕事の一部だと受け入れているよ。簡単に言うと、仕事と人生について考えるきっかけのひとつだね。映画館に行ったり自宅で映画を見たりする時間はなかなか取れないから、見たかった作品を見る絶好の機会でもあるんだ」

「僕自身は、いろいろなことを考えたり眠ったりしてリラックスするつもりでいるよ。機内で寝られないっていうタイプじゃないし。一番うれしいのは、フライト中は誰も電話をかけてこないこと! 僕たちが生きている現代の世界では携帯電話が手放せないけれど、飛行機に乗ってしまえば1人きりで、自分の考えに浸れるんだ」

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