2007年のF1ワールドチャンピオンであり、2009年シーズン終了時にフェラーリとの契約を解消し、現在はWRC(世界ラリー選手権)とNASCARに参戦しているキミ・ライコネン。元チームメートのフェリペ・マッサ(フェラーリ)は、ライコネンのF1復帰はあり得ると語った。
ラリーとNASCARというF1とはやや性格の異なるカテゴリーで経験を積み、32歳になったライコネンが、2012年にウィリアムズ所属のドライバーとしてF1に復帰するとのうわさが流れている。
しかしながら、F1に精通した報道関係者の間では、多くを語らない性格で有名なライコネンはF1よりもラリーを好むだろうと考えている。
事実、フランスのウェブサイト『autohebdi.fr』は次のようなライコネンの言葉を伝えている。「目を引くような見出しをつけるためならなんでもやるF1の報道陣よりも、ラリーの報道陣は規律と各ステージで何が起こったかに興味をもってくれているように思えるんだ」
懐疑的な見方も存在しているが、F1のパドックではライコネン復帰のうわさは今度こそ事実だろうとみる向きが強まっている。
2007年から2009年までライコネンとチームメートだったマッサも、インドの地で『Turun Sanomat(トュルン・サノマット)』紙の取材に「(ライコネンのF1復帰は)あり得ることだと僕は思う」と答えている。
ライコネンF1復帰のうわさを懐疑的に見ていないながらも、復帰が実現した場合にはミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)同様に苦労するだろうとマッサは考えている。シューマッハは史上最多の7冠王者だが、2006年末に一度F1を引退し3年間のブランクを経て2010年に復帰したが、今のところ引退前のような輝かしい成績を残せていない。
「ミハエルもとても苦労している。ミハエルは引退前に乗っていたクルマよりも競争力のないクルマでF1に復帰したことは理解しているよ」
「それはキミにとっても同じだろうね。いずれにしても、キミはまだ若いから、2年のブランクはあまり大きな問題ではないだろうね」
「若さがあれば、何かやりたいことがあって、それに向けてしっかりトレーニングを積めば、以前と同じだけの結果を残すのは不可能じゃないんだ」とマッサは締めくくった。