フェラーリの2012年ドライバーラインアップを巡って、各方面からチームに圧力が強まっている。
最近の憶測をくつがえすかのように、アブダビGP前にフェラーリは、フェリペ・マッサとの来季契約を尊重するとコメント。イタリアのスポーツ紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によると、GP期間中にも、チーム創始者エンツォ・フェラーリの息子であるピエロ・ラルディ・フェラーリは次のように話していた。
「マッサが何だって? それより、マシンがベストじゃない。2008年に走らせたようなクルマを彼に与えれば、また好成績を残してくれるよ。今まで彼はフェラーリに貢献してくれた。彼との関係は続けるべきだ」
『El Pais(エル・パイス)』紙にコラムを寄稿している元フェラーリのベテラン・エンジニア、ホアン・ビラデルプラットはピエロの意見に反対だ。
「(フェルナンド)アロンソは、何の疑いもなくフェラーリのエースドライバーだよ。なぜなら、彼がそれを自分の手で勝ち取ったからだ」
「マッサが見せる最近の戦いぶりはどうだい。アロンソがプレッシャーをはね返すのに比べ、マッサは押しつぶされてばかりだ」
「今この時点でマッサは、セカンドドライバーですら程遠い存在だよ」
「私に言わせれば、フェラーリがアロンソのチームメートとしてマッサを残留させるのは、戦略上の誤りだ。アロンソの座が脅かされないのは良いにしても、ほかのドライバーだったら、もっと良いレースをしてアロンソにプレッシャーをかけるはずだ。例えばバトン(ジェンソン・バトン)とハミルトン(ルイス・ハミルトン/ともにマクラーレン)のようにね」
「去年はセバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバー(ともにレッドブル)の間にいろいろあったが、おかげでベッテルがより強いドライバーに成長したのも確かだ。それは、ウェバーがベッテルから多くのものを引き出したからだよ」
ローマの『Il Tempo(イル・テンポ)』紙も同じ論調だ。「マッサはフェラーリドライバーにしては遅すぎる。これが真実だ」