技術規則の違反により、2011年のF1オーストラリアGPを失格になったザウバー。その違反内容が明らかになった。
ザウバーでは、小林可夢偉が堅実な走りで8位に入り、チームメートのセルジオ・ペレスが1回のみのタイヤ交換でレースを走りきるという戦略を成功させ7位で開幕戦を終えていた。しかしレース後の検査で、ザウバーの2台のリアウイングに違反が発覚。ザウバーの2台は失格処分となった。
『Autosport(オートスポーツ)』によると、ザウバーが違反していたのは、リアウイングを構成する最上部のパーツに、「曲率半径100mm以下の凹(おう)面があってはならない」という条文であるようだ。
これは、ストレートでの最高速向上を目的に、昨年導入されたFダクトを禁止するためのルール。統括団体FIA(国際自動車連盟)の検査官は、100mmのボールを使ってこれを検査するという。
しかし、ザウバーの技術責任者ジェームス・キーは、意図的に違反したわけではなく、これによる性能面のアドバンテージもないと語っている。
「レースが終わるまで、何も知らなかった。おそらく見落としたのだろう。絶対に意図的なものではない。Fダクトに関連したものでも、ルールの抜け穴を狙ったものでもない。今回、ウイング上面について起こったことは偶発的なものであり、性能向上を狙ったものではない」
キーによると、なぜウイングの設計がルールに違反するようなものになったのかチーム本拠地に確認しており、その結果によって失格処分に対する控訴の手続きを続けるか決めるようだ。