ルイス・ハミルトンは、マクラーレンとの次期契約交渉で、サーキット外のスケジュール拘束をもっと緩やかにするよう要求すると語った。
両者の契約は2012年まで残っている。ところが先週、成績次第でこれを解除できる条項が存在することが判明。そうなると、ハミルトンのレッドブル移籍の可能性も出てくる。
しかしながら、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは9日(土)、来季ラインアップがセバスチャン・ベッテルとハミルトンになる可能性は「ほとんどゼロ」とコメント。これに面白くないハミルトンは、大っぴらにマクラーレンに対する要求を引き上げると明かした。
9日(土)の予選で10番手となった後、長時間にわたるスポンサーとマスコミ対応のほぼ終わりに、ハミルトンは次のように語っている。
「マクラーレンとの再契約に署名する際、僕を拘束できる日数の少なさに彼らはショックを受けるだろうね。労働時間を思い切り減らすつもりだよ。このままでは燃え尽き症候群になってしまう」
思うような成績を残せないハミルトンは最近、うわさと批判の標的にされている。さらには8月の休暇が待ち遠しいとも話していた。
「休みが取れると分かっているのは、良いことだよね」とハミルトン。現在26歳だが、30の大台を「越えた」ような気さえするという。「僕が疲れているかって? おそらくね。トレーニング? この2週間、トレーニングなんてしていない。でもスポンサーが満足なら、それで良いよ」と、皮肉まで飛び出す。
タイトル獲得の可能性について悲観的なハミルトンのコメントだけに、イギリスGPが終わったらマクラーレンの営業部内は忙しさを増すかもしれない。
「もう奇跡は使いはたしちゃったかもね。僕は、やれるだけのことはやったと思う。今年は長いシーズンになりそうだよ」
母国GPで予選10番手に終わったハミルトンの口撃は、チームクルーにも向けられていた。
「おそまつなパフォーマンスだったね。コックピット内では天気予報を知る術がないんだ。だから、僕はクルーに“天気はどうなってる?”と質問し続けた」
「他の皆が新品タイヤで出て行く中、僕だけは古いタイヤさ」
マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュさえ、もはや選手権は一番の目的ではないと認めている。
「ここに及んで2つの選手権獲得に集中するのは、間違いだ。まずはレースに勝つことだよ」
しかし、翌日に行われた決勝でハミルトンは、大きく順位を上げて4位でゴール。上機嫌のハミルトンはレース後、「史上最高のイギリスGPになった」とのコメントを残している。