フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼモーロは、ポルシェのF1参戦が実現したら心から歓迎するという考えを明らかにした。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によると、モンテゼモーロはフランクフルト・モーターショーで次のようにコメントしたようだ。
「ポルシェは、われわれにとっては一部の製品でライバルでもあるが、彼らには一目置いている。競争は常に歓迎だ。その競争相手に勝つ力があればなお良い」
しかしポルシェのCEOマティアス・ミュラーは同じくフランクフルト・モーターショーで「F1にはまだ興味がない」と発言しており、同社のF1参戦は少なくとも3年は実現しそうにない。
『Automotive News Europe(オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ)』によると、F1参戦は「コストがかかりすぎるうえに、特に観戦者に見返りが少ない」と、ミュラーは理由を語っていた。
モンテゼモーロはさらに、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が先週末のイタリアGPで、いつか「(フェラーリの)赤いレーシングスーツ」を着てモンツァを制したいとコメントしたことに対しても次のように語った。
「ベッテルのことはとてもよく理解できるよ。彼は頭が良く、抜群のセンスを持っていて、そしてフェラーリというチームが何を意味するのか分かっている。もちろんほかのチームが劣ると言っているわけではないがね」
この場でモンテゼモーロは、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)で新型エンジンの開発に携わり、新たに設立されたエンジンメーカーであるPURE社に雇用された元フェラーリのエンジン責任者ジル・シモンについても言及したようだ。
シモンは、FIAでのプロジェクトを通してエンジンメーカー各社の重要情報を知る立場にあり、情報流出の懸念がされている。『Autosprint(オートスプリント)』によると、モンテゼモーロも人物の特定こそしなかったものの、「技術者が重要情報を他に渡せる状況にあることは間違っている」との考えを示した。