ハイメ・アルグエルスアリは今週、2012年もトロ・ロッソに残留できるかどうかは見当がつかないと認めた。
アルグエルスアリはスペインのスポーツ紙『AS(アス)』に、「いつものことだから、神経質になんかなっていないよ。僕は15歳の時から、年末になるまで自分が翌年に何をするかなん分からなかったんだからね」
このように語るアルグエルスアリだが、マーク・ウェバーがセバスチャン・ベッテルのチームメートとして2012年もレッドブルとの契約を延長したことに対しては、いら立ちがあると認めた。
「彼に敵対心はないけど、これでレッドブルへの扉は閉ざされてしまった。つまりトロ・ロッソからの昇格の道も断たれたわけだ」と21歳のアルグエルスアリは語った。
レッドブルのドライバー育成プログラムの責任者であるヘルムート・マルコは、アルグエルスアリかチームメートのセバスチャン・ブエミ、どちらか片方、あるいは両方をレギュラードライバーから降格させ、現在HRTにレンタル移籍しているダニエル・リチャルドと、レッドブル・ジュニアチームに所属しているジャン・エリック・ベルニュにレースシートを与えようとしているのではないかとの報道もある。
だがアルグエルスアリは、2012年も現在と同じドライバーラインアップを維持するべきだと考えているようだ。アルグエルスアリはブエミのことを「これまでの人生の中で最高のチームメートだ。彼は残留に値するよ」とたたえた。
そしてアルグエルスアリは『El Mundo(エル・ムンド)』紙へ次のように話している。
「今のところ来年のシートは確定していないし、トロ・ロッソの誰とも来年については話し合っていない。僕が手にしたいのは、予選をトップで通過できて、レースでも勝つことができるクルマだ。僕はそのマシンを運転する資格があると思う。16位とかの順位をかけて争うなんてまっぴらだよ。言い訳はしたくないけど、ベッテルはレッドブルのマシンで僕よりも20メートルも遅くブレーキを踏むことができている」
一方のブエミもまた、自身のレース人生を左右するチームからの連絡を待っている身だ。母国スイスの『Blick(ブリック)』紙が「僕はこの3年間でプレッシャーと向き合っていく術を学んだよ」というブエミのコメントを掲載した。
その一方で、両ドライバーの運命を握っているマルコ博士は、「2012年について深く考えるにはまだ早過ぎる」と述べるにとどまった。
なお、現在史上最年少でのF1世界王座連覇に王手をかけているベッテルもレッドブルのドライバー育成プログラム出身。レッドブルの姉妹チームであるトロ・ロッソでの目覚ましい活躍を買われ、レッドブルのレギュラードライバーの座を射止めた経緯がある。