セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が度重なるトラブルに見舞われなければ、2010年のレッドブルでドライバー間の問題は起きなかった。
こう語ったのは、レッドブルのモータースポーツ・コンサルタントであるヘルムート・マルコ。レッドブルのモータースポーツ活動を仕切っている人物だが、特に昨年はベッテルに大きく肩入れした発言が目立ち、メディアで取り上げられることが多かった。
レッドブルは、将来に向けてベッテルを中心にしたチーム作りをしていると認めつつも、レースでは2人のドライバーを平等に扱っているとの主張を貫き通した。
しかし、ベッテルとウェバーの2人ともがタイトルを狙う中で、ベッテルとウェバーの不仲が大々的に報じられたほか、チームメート同士の接触という最悪の事態も発生。チームメート同士でポイントを奪い合い、2人そろってタイトルを取り逃がすよりも、どちらか一方を明確に優先させたほうがいいのではないかとの意見も出ていた。
2010年シーズンを通じて、選手権ではほぼ常にウェバーがベッテルよりも上位にいたものの、レッドブルがウェバーのサポート役をベッテルに命じることはなく、結局はベッテルが最終戦での逆転タイトル獲得を達成した。
しかしマルコは『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』へ、もしクルマのトラブルがなければ、昨年はベッテルが圧倒的な差をつけてタイトルを獲得していただろうとして、次のように語った。
「彼が技術的なトラブルで66ポイントを失わなければ、マーク・ウェバーとの衝突はなかっただろう」
2010年までのF1では、チームからの指示によって順位を入れ替えるチームオーダーが禁止されていた。しかし、2011年からは、チームオーダーを禁じるルールが撤廃される。だが、これによってレッドブルの戦い方が変わることはないとして、マルコはこう加えている。
「私たちは(チームオーダーを)使わない。F1のスポーツとしての側面に最大の注目が集まるべきと考えているためだ」