フェラーリのフェリペ・マッサが、今季はチームメートであるフェルナンド・アロンソに負けていると認めた。しかし、2005年、2006年と連続王座に輝いたことのあるアロンソを恐れているわけではないと強調している。
アロンソがフェラーリ入りした2010年は苦戦したマッサ。2011年になってもマッサの苦戦は続いており、今季の予選結果を比べてみると、第12戦ベルギーGPが終了した現時点で、マッサがチームメートに勝ったのはわずか2回のみだ
これに対し、スペインの『El Pais(エル・パイス)』紙とのインタビューでマッサは、「そうだね。まぁ、単純な事さ。フェルナンドは予選に関しては僕よりもずっと上手ってことだよ。なんとか逆転できるように頑張っている。いずれにせよ、僕が遅いって訳じゃないよ」と語った。
マッサは2008年シーズン、最終戦のブラジルGPまでルイス・ハミルトン(マクラーレン)とタイトルをめぐって激しく戦った。その母国GPで優勝を果たしたマッサだったが、ハミルトンに対しわずか1ポイントの差で王座争いに敗れた。
翌2009年は、シーズン序盤戦からマシン性能の低さに苦戦し、ハンガリーGPではマッサの前方を走行していたクルマの部品が外れ、それがマッサのヘルメットを貫通して頭部を直撃するという深刻な事故にも遭遇。あわや大惨事となる事故に見舞われたマッサだが、その2009年には待望の第一子を授かるという、うれしいニュースもあった。
そして2008年のブラジルGPから現在に至るまで、マッサは勝利から遠のいている。
マッサの中で何かが変わったのだろうか?
「何も変わってない。僕は僕のままだよ。確かに僕はあれから思ったような結果を得られていない。でも、変わらない野心と決意はある」とマッサは何も変化はしていないと語る。
それでは父親になったことと、2009年ハンガリーGPでの事故による影響はあるのかと尋ねられると、マッサは次のように認めた。
「両方ともたくさんの経験をもたらしてくれる。でもクルマに乗ったら関係ないよ」
「一度コックピットに座ったら、すべてが頭から離れてしまうんだ。愛する息子や家内、父親と母親のことですらね。ミハエル(シューマッハ/メルセデスGP)は父親として数多くのタイトルを手中に収めた。色んな人がそういった影響に関して話し過ぎるんだよ。でも、この2年間が僕の人生の中でも、最も厳しいものになっているというのも事実だ」
2011年のベルギーGPが終了した現時点でのポイントランキングで、マッサは首位を独走しているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)に185点の大差をつけられており、数字上も今季タイトルの獲得は不可能になってしまった。
しかし、「いまこの現在に集中することが重要だ」とマッサは話す。
「僕たちはうまくやっていけると思う。同時に、2011年から2012年にかけて車両規定に大きな変更はない予定だ。だから今シーズンを競争力のあるクルマで終えることがとても大切なんだよ。来年は排気系の位置が変わるけど、そのほかの空力面での変更はないから、クルマは今年の発展型になるだろうね。だから、集中して作業を進めていくことには大きな意味があるよ」
そしてマッサは、自身がまだ勝てるドライバーであると確信している。
「もちろんだ。じゃなきゃ、家に帰るよ」