F1でのタイトル連覇はまれで達成は困難、そうシンガポールで語るのは、レッドブルのデザイナー、エイドリアン・ニューイだ。
シンガポールGPでタイトルを決められなかったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)だが、日本GPでタイトルを確定させ、史上最年少でのF1連覇を果たすことがほぼ確実になっている。
かつてニューイのマシンでこの偉業をやってのけたのは、マクラーレン時代に密接な関係を築いたミカ・ハッキネンが最後だ。
「選手権と名のつくものは、良いドライバー、良いマシン、良いエンジン、信頼性、チームワークなど、すべての要素がそろった上で、それらがガッチリかみ合わないと勝てない」と、ニューイはフィンランドの日刊紙『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』に話す。
「しかも次の年も成し遂げようと思ったら、それは簡単なことじゃないよ」
52歳のニューイは、ウィリアムズでもタイトルを取ったことがある。しかし本人によると、レッドブルでの成功がもっとも誇らしいという。
「ウィリアムズとマクラーレンのいずれも、私の加入当時は既に選手権を勝ってきたトップ・チームだった。もちろんデザイン部門でそれなりの力にはなれたと思うけど、両チームでは既に勝てる要素がそろっていたからね」
「その点レッドブルは非常に若くて、その前身であるジャガーは選手権7位ぐらいしかなったことのないチームだった。以来、レッドブルは勝てるチームに変貌(へんぼう)したが、私はそのことが一番うれしい」
ドライバーとの関係においては、ミカ・ハッキネン(マクラーレン)と仕事をした思い出が、もっとも懐かしいという。
「ベッテルやウェバー(マーク・ウェバー/レッドブル)との関係はとても良好だが、私は、エンジニアとして彼らのマシンにかかわっているわけではない。その点、ミカと私はもっと近い間柄だったよ」