レッドブル総帥であるディートリッヒ・マテシッツが、F1活動を縮小する予定はなく、今後も2チーム体制でF1を戦っていくと語った。
数々のスポーツイベントに巨額の出資を行っているエナジードリンクメーカーのレッドブル。北米の人気レースカテゴリー、ナスカーから今季限りで撤退することをすでに決定しているが、レッドブル・レーシングとトロ・ロッソの2チームを保有するF1では、撤退などまったく考えていないようだ。
レッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルが、最年少でのF1連覇をほぼ手中におさめているほか、トロ・ロッソはレッドブルが育成する若手ドライバーの能力を試す場になっており、レッドブルがF1で大きな成功を収めていることは間違いない。
しかし、トロ・ロッソについては、売却のうわさが度々出ていた。だが、マテシッツは『Independent(インディペンデント)』紙へ、トロ・ロッソ売却の可能性についてこう語った。
「それはない。適切なパートナーであれば、提携を結ぶ可能性は否定しないがね」
当然マテシッツは、本家チームとも言えるレッドブル・レーシングの売却は考えていない。しかし、F1には難しさもあると認める。
「予測は困難だし、政治的なことや、F1の利害関係者たちへの影響、そのほかにも多くの要因を考慮に入れた広い視野で決定を下さなければならない」
レッドブルは各種スポーツでのスポンサー活動を通じたマーケティングを行っているものの、F1はばく大な年間予算が必要なスポーツ。だが、レッドブルにとってはF1の年間予算も大きなものではないとマテシッツは語る。
「レッドブルブランドを宣伝する広告費のうち、F1の予算は10分の1程度だよ」
現在、レッドブル・レーシングにはレッドブル以外のスポンサーがほとんどついていない状態だが、これもレッドブルのブランドがあまりに強いため、新しいスポンサー獲得が難しいのだとマテシッツは加えた。