キミ・ライコネン:インタビュー 「レースがどんなに恋しかったか気づいた」

2011年12月01日(木)

2012年にロータス・ルノーGP(来年のチーム名はロータス)からF1へ復帰することが決まったキミ・ライコネン。インタビューに応じ、F1復帰を決めた理由などについて語った。

Q:キミ、あなたのF1復帰が決定したという素晴らしいニュースに私たちも喜んでいます。なぜ復帰を決意したのですか?

キミ・ライコネン:最も重要な点は、F1でのレースそのものに対する情熱を失ったことはなかったということなんだ。レース以外の事情には少し疲れていたかもしれないけれどね。

ライコネン:でも今年NASCARに参戦したら、ほかのマシンと競い合うレースがどんなに恋しかったか気づいたんだ。ラリーはほかのマシンというより時間との戦いだからね。そんなとき数名のF1関係者から連絡があったんだ。そこからはいろいろな展開があったけれど、ロータス・ルノーGPととても良い話がまとまった。本当に、本当にうれしいよ!

Q:なぜロータス・ルノーGPを選んだのですか?

ライコネン:ロータス・ルノーGPかウィリアムズという2つの選択肢があった。このチームを選んだ理由というのは、僕らが望んでいた形で話がまとまったからということに尽きるんだ。

Q:ロータス・ルノーGPの今シーズンの走りはずっと見ていたのですか?

ライコネン:去年はF1自体にほとんど関心がなかったよ。今年は少し見ていたんだけど、特に気になるチームというのはなかった。最終戦のブラジルGPは、最後の20周を見たよ。僕の復帰も決まっていたからロータス・ルノーGPの走りも見守った。それより前はF1復帰が決まるのか、何が起こるのかも全然分からない状態だったから、何戦かをさらっと見る程度だったんだ。

Q:最近ではDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)が導入され、タイヤもピレリになりましたが、引退前の最後の年(2009年)に比べるとF1は大きく変わったと思いますか?

ライコネン:2009年と比べると、最も大きな違いはタイヤだと思う。でもマシンそのものに大きな変化はないよ。DRSは新しいけれど、基本的には以前に使用していたものと似ているんじゃないかな。今あるDRSを起動させるボタンと同様のものは、昔フロントウイングに使っていたからね。だから、タイヤが最大の違いだと思うよ。

Q:今のキミは2009年のキミとは違いますか? どのように進化したと思いますか?

ライコネン:どうだろう。2年もレースから離れているし、引退以来F1マシンを走らせてもいなければ、コックピットに座ってすらいないんだ。またマシンに乗るのはどんな感じなんだろうね。当時から2歳年をとったという事以外、何も変わらないと思う。

ライコネン:ラリーに挑戦するのはとても面白かったよ。うまくいかない時もあったけれど、今年は去年ほど苦労しなかった。依然として難しいスポーツであることに変わりはないけれどね。F1に戻ってくることがとても楽しみだ。右も左もわからなかったラリーやNASCARに比べると、F1は何年もの経験があって物事がどのように進むのかも知っている。だから復帰もスムーズだろうし、感覚も自然に戻ると思う。

Q:すでにトレーニングの内容を変えたりしているのですか?

ライコネン:ラリーのためにも常にトレーニングはしていたけど、ラリーはそこまで肉体的なスポーツではないんだ。どちらかと言うと1週間座りっぱなしというイメージかな。これと対照的に、F1は短時間だけれどもっと体に負担がかかる。だから1ヶ月前からF1に合わせたトレーニング内容に変更したよ。首をレース中の負荷に耐えられるようにするのが一番難しいね。でもまだ時間があるから大丈夫さ。

Q:2009年の最後のレースを思い起こす時、どんな感情がよみがえってきますか?

ライコネン:その時の自分のブレーキングも全部覚えているし、すべてがあっという間に過ぎていったことをずっと忘れられない。例えばラリーなら、1戦がもう少し長いからね。でもラリーは「セカンドチャンス」がないんだ。ミスをして一度コースから外れてしまうと、F1のようにランオフエリア(コースと観客席の間の舗装された空間)なんてないから、そこで終了だよ。

ライコネン:F1はランオフエリアがたっぷりあるから、少し膨らんでコーナーを走ってしまっても大丈夫。フリー走行や予選では、その周回は台無しになってしまうけれど、決勝のレースだったら順位を落とすことすらないのじゃないかな。

ライコネン:ブレーキングとGフォース(身体が横へ持っていかれる遠心力や、加速や減速で身体が前後へ持っていかれる力)はすぐに慣れるよ。やっぱり大事なのは首かな。それ以外の点は、少し時間を要するけど、そこまで大きな問題ではないよ。

Q:来シーズン、F1は6人のチャンピオン経験者が走ることになります。これはあなたにとっても大きなモチベーションになりますよね?

ライコネン:そもそもやる気がなかったら戻ってこないよ。僕のモチベーションの話は何度も書かれているけど、僕が何を考えて何をするかなんて僕以外の人間には分からないから、他人が何を言っているかなんて気にならない。復帰できるのがうれしいということだけさ。楽しめそうもないと分かっていたら、契約書に署名なんてしない。復帰はきっと面白いものになるよ!

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