ロータス・ルノーGPが、ラリー事故で重傷を負ったロバート・クビサの代役として、ニック・ハイドフェルドを起用すると発表した。
クビサは、6日(日)に参加したイタリアのラリーで大クラッシュ。当初は生命の危機に陥りながらも、現在は順調な回復を見せている。しかし、右半身を中心に複数の複雑骨折など重傷を負っており、少なくとも数ヶ月間はF1を欠場する予定だ。
これを受けてロータス・ルノーGPは、ヘレスで行われた前回の合同テストで、代役の最有力候補だったハイドフェルドを走らせ、評価を実施。このテストでハイドフェルドは、自身が走行を担当した日のトップタイムを記録し、代役就任は決定的だとみられていた。
そしてロータス・ルノーGPは16日(水)、ハイドフェルドの起用を正式に発表。18日(金)からバルセロナで始まる合同テストに、ハイドフェルドも参加することになる。ハイドフェルドはこれまで、11シーズンをF1で戦い、174戦に出場してきた。
ハイドフェルドは、BMWザウバー時代のチームメートでもあるクビサの負傷という形でF1シート獲得した複雑な心境を、次のように明かした。
「違う形でF1に復帰したかったよ。でも、今回チャンスを与えられたことを、光栄に思っている。いろいろと慌ただしいけど、これまでにエンストン(チーム本拠地)で見た施設やスタッフの献身的な姿勢には、深い感銘を受けている」
「先週のヘレスでのテストは、心から楽しめたし、コースではスタッフのみんなと打ち解けられたよ。クルマはかなり革新的になっているけど、感触はよかった。モチベーションはとても高いし、シーズン開幕が待ち遠しい」
また、ロータス・ルノーGPのチーム代表エリック・ブーリエは、次のようにコメントしている。
「チームはこの数週間、非常につらい時を過ごしてきたが、迅速な対応が必要だった。先週のヘレスではニックにチャンスを与えており、彼の走りは印象的であった。彼は速く、経験も豊富で、クルマに関する意見や理解度も素晴らしいことから、技術面にも大きな強みがある」
「われわれは以前から、経験豊富なドライバーを起用することが最優先だと言ってきたが、彼は理想的なドライバーだと思っている。ニックをチームに迎えられたことを喜んでおり、彼やビタリー(ペトロフ/チームメート)とともにバーレーンでの開幕戦を迎えるのが楽しみだ」