WRC第6戦ラリー・アルゼンチン、セバスチャン・ローブが優勝 キミ・ライコネンは不参戦

2011年05月31日(火)

WRC(世界ラリー選手権)の第6戦ラリー・アルゼンチンが5月26日(木)から29日(日)にかけて行われ、シトロエンのセバスチャン・ローブが優勝。キミ・ライコネンは不参戦だった。以下、プジョー・シトロエン・ジャポンのプレスリリース。

紆余(うよ)曲折を経て、ラリー・アルゼンチンで勝利をもぎとったのは、同ラリー6度目の優勝となるセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組でした。7度の世界王者に輝くローブは、初日で1分のペナルティーを課されたハンディをはねのけ、最終ステージで優勝をもぎとったのです。このラリー最長のステージで横転というアクシデントに見舞われたセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組も3位入賞、シトロエンは2004年からの南米での優勝記録を伸ばし続けています。

ラリー・アルゼンチン最終日は、48キロ超のロングステージへのアタックが日の出とともに始まるという異例のプログラムでした。クルーは5時起床、ヴィラ・カルロス・パスのサービスパークに入った後、今年のWRCで最長ステージとなるアスコチンガ・ステージへと向かいました。

最初にスタートしたセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組は43.7秒のリードを守るべく慎重に走りだしました。ところが、最後の1キロになって二人の乗ったシトロエンDS3 WRCが横転してしまったのです。

「バカなミスをした」とフィニッシュしたオジエも認めます。「あとは慎重に運転するだけで勝てたのに。コーナーを攻めすぎてひっくり返ってしまった。コースには戻れたけど、マシンがダメージを受けていた。目に見える部分だけじゃなくて、パワーステアリングもダメになっていたんだ。ウインドスクリーンも壊れたし、リア・ウイングもやられた」

一方、3位スタートのセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組は、今日の条件では、2位のミッコ・ヒルボネンを抜くのは難しいとすぐに気づきました。「霧が出ていたし、路面もひどく濡(ぬ)れていた。このコンディションでは先にスタートする事は不利とはならないんだ。僕たちの最初のスプリット・タイムはあまりよくなかったから、ヒルボネンを抜くには全開でいくしかなかった」。こうして、過去5回のラリー・アルゼンチンで優勝してきたローブは、最終パワーステージを残して総合2位につけました。

最後の3ステージ(合計で10キロ強)で、オジエは首位を守るべく必死の走りを見せました。パワーステージを残して、オジエのリードは2位のローブに対して3.3秒、3位のヒルボネンに対して5.7秒とわずかなものになっていました。

「本当に厳しかった。最後のステージはハンドルを握っていられないんじゃないかと思ったよ。パワーステアリングが効かなくなると、車はとてつもなく重くなる。コーナーを攻めるなんてとても無理だった」とオジエは振り返りました。

オジエのトラブルの間にローブとヒルボネンが浮上する中、オジエも3位に踏みとどまり、ポイントを手にしました。「チームへの迷惑が少なく済んでまだよかった。マニュファクチャラーズではそれほどポイントをロスしていないからね。でもドライバーズタイトル争いの方では苦しくなった。本当にがっかりしているよ」

最後まで攻め続けたローブは、チームメイトのオジエを振り切り、フィニッシュではヒルボネンを2.4秒上回っていました。「金曜日にペナルティーを受けたし、優勝は期待していなかった。とにかく思い切りプッシュして、先頭グループに追いつき、ヒルボネンを追い抜こうと考えていた。今回も僅差(きんさ)の勝利になったね。僕はラリー・アルゼンチンと本当に相性がいいみたいだ」

ローブはオジエの健闘をたたえ、次のように述べました。「彼が今、どんな気持ちかよくわかる。僕も同じような不運に見舞われた経験があるからね。怒りの持って行き場がないし、落ち込みもするだろうけど、こういうミスは誰にでも起こるものだ。こういう状況のなかでもオジエはゴールまでしっかりマシンを走らせて帰ってきた。チームにとってはそれがとても大事なことなんだ」

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