マクラーレンは当初チーム・ロータスにも技術提供を行うつもりであったとチーム・ロータスの代表トニー・フェルナンデスが明かした。
チーム・ロータスとともに2010年に念願のF1参戦を果たしたヴァージン。しかし、これまでのところ後方集団の中での苦戦を強いられている。そのヴァージンは2012年シーズンよりF1界きっての名門チーム、マクラーレンとパートナーシップを締結したと7月に発表した。これによってヴァージンはマクラーレンの風洞施設や、技術スタッフ、ドライバーシュミレーターを共有することが可能になる。
「マクラーレンから技術提供のオファーは、昨年われわれにも何度かあった。しかし、われわれにとってはレッドブルとのパートナーシップの方が魅力的だった。レッドブルもチーム・ロータスも同じルノーエンジンを使っているからね」とのフェルナンデスのコメントをフィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙が報じた。
昨年のドライバーズ選手権、コンストラクターズ選手権(製造部門)のダブルタイトルを獲得し、今シーズンも首位を独走しているレッドブル。チーム・ロータスは今シーズンから、そのチャンピオンチームからギアボックスとハイドロリック(油圧システム)の供給を受けている。さらに2012年からはレッドブル製のKERS(運動エネルギー回生システム)も使用することになっている。
2008から2009年にかけてマクラーレンに在籍し、現在チーム・ロータスのドライバーを務めているヘイキ・コバライネンは、ヴァージンはマクラーレンとの提携によって力を増すだろうと考えており、「ヴァージンに供給されるパッケージは僕たちにオファーされたものと同じ内容かどうかは分からない。けれど、もしそれでも彼ら(ヴァージン)のペースに改善が見られなかったら、相当深刻な問題を抱えているってことだろうね」と語った。