資金調達が危ぶまれる中、サーキットの建設も中止され、2012年のF1開催スケジュールからの消滅がささやかれているテキサス州オースティンでのアメリカGP。その運営者に対して、グランプリを消滅から守るために1週間という期限が科されたと『AP通信』が報じた。
報道によると、この期限を設けたのはF1の最高権威者であるバーニー・エクレストンで、エクレストンは「もし彼ら(運営側)が来週中にわれわれと契約を締結できないのであれば、来年の開催スケジュールからアメリカGPは消される」とコメントしているという。
またエクレストンは2500万ドル(約19億円)という認可費用に関わる資金の信用状または保証書を要求しているようだ。
さらに、「12月7日に開催される予定のFIA(F1を統括する国際自動車連盟)の世界モータースポーツ評議会までにすべて整ってなければいけない」と最終的な「Xデー」も述べている。
しかし、アメリカGPの運営者である『サーキット・オブ・ジ・アメリカズ』は次のような声明を発表し、来年ではなく2013年の初開催を検討していることを明らかにしたこともあり、1週間という期限は守られないとみられている。
「米国の市場はF1各チームや彼らのスポンサーにとって重要であるということは分かっている。2013年という開催目標であればわれわれ『サーキット・オブ・ジ・アメリカズ』も十分な時間をかけて準備ができるだろう」
今回アメリカGP開催を危ぶませている原因はグランプリの創案者であるタボ・ヘルムンドと『サーキット・オブ・ジ・アメリカズ』の間に生じた不和だと言われている。
アメリカGPにおける役割を極端に減らされたとも言われているヘルムンドは「誰かが今すぐ飛行機に飛び乗ってエクレストンに会いに行かなければならないね。そして彼が喜びそうなニュースを伝えるんだ」とコメントしている。一方で、難航している資金調達に関して投資家を非難する声も挙がっている。
テキサス州の会計監査官、スーザン・コムズは『Austin American Statesman(オースティン・アメリカン・ステイツマン)』紙に対し次のような見解を示した。
「この件に関してタボ(ヘルムンド)に非はなく、投資家に問題がある。しかし、州にはこのような問題を解決する役割はない」