WRC(世界ラリー選手権)の第8戦ラリー・フィンランドが7月28日(木)から31日(日)にかけて行われ、シトロエンのセバスチャン・ローブが優勝。キミ・ライコネンは9位だった。以下、プジョー・シトロエン・ジャポンのプレスリリース。
2008年にフィンランドでの初優勝を遂げたセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組がフィンランドでの2勝目をあげました。セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組も3位に入り、新しい歴史に花を添えました。表彰台に2台のDS3 WRCが上がる好成績で、シトロエン・トタル・ワールド・ラリー・チームはマニュファクチャーズ・タイトルでのリードをさらに確実なものとし、セバスチャン・ローブはドライバーズタイトルでのリードを27ポイントに拡げています。
最初の 2日間で勝負は3台に絞られ、最終日は140キロという非常に長い距離をセバスチャン・ローブとセバスチャン・オジエ、そしてフィンランド出身のヤリ-マティ・ラトバラが争う構図になりました。デイ2をトップで終えたローブには先頭を走る「掃除役」のハンディがのしかかりました。
しかし、7度の世界王者に輝くローブは「攻めこそ最高の防御」と、朝露でまだ濡れている路面を思い切り飛ばし、リードを拡げる作戦に打って出ます。21.35キロを走るルーツ1(SS12)を、ローブはオジエに6.4秒、ラトバラに10.7秒の差をつけてトップで走り抜け、ライバルたちの度肝を抜きました。「常にギリギリを攻め続けた。無我夢中だったよ」とローブは語りました。
次のステージでローブはまたしても最速タイムを記録。一方、オジエも諦めていませんでした。「まだ終わってない。攻め続けるよ。差はたった10秒だ。ラトバラも迫ってきているしね」
しかし、ローブは冷静に優勝へと走り続けました。コンディションがどんどん難しくなるなか総合1位をしっかりキープ、ローブはラリー・フィンランドでの優勝を成し遂げたのです。フィンランド人以外でこのような偉業を達成したのはローブが初めてです。この勝利でシトロエンは今シーズン7連勝となりました。
今回の勝利でローブは2002年以来、シトロエンで挙げた65勝にまたひとつ、勝利を積み重ねることとなりました。これで、ドライバーズタイトル争いでのリードは、ミッコ・ヒルボネンに対して27ポイント、セバスチャン・オジエに対して31ポイントと一層拡がりました。
「これまで経験してきたなかでも格別の勝利だね。とにかく必死で、粘り強く走り続けた結果だ。リードを拡げるには時には無茶もしなくちゃいけない。シトロエンDS3 WRCとの相性は最高だ。クサラやC4よりも走りやすいくらいだよ。ターマックのイベントが始まる前にリードを拡げておきたいと思っていたから、その目標が達成できてうれしい。もちろん、これからも貪欲にポイントを狙っていくよ」
優勝を狙っていたオジエですが、SS17でタイヤがパンクし、望みが消えました。元ジュニア世界選手権王者でもあるオジエは結局、ラトバラに次いで3位。1位のローブとは12.8秒差のフィニッシュでした。「最後のループまではすべてが好調だった。優勝へ向けてプッシュできるいい位置にいたんだけど、パンクがあったからね。パンク一つでチャンスを台無しにしてしまったのは、本当にもったいなかった」
「シトロエンは、『競い合う』というラリースポーツの原点を大切にしています。」と、シトロエン・レーシングを率いるオリビエ・ケネルは強調します。
「私たちは2人のドライバーに好きなようにレースをさせました。それぞれが独自の戦略を持ち、状況に応じた戦いをしたのです。セバスチャン・ローブとダニエル・エレナは、レースを完全に支配できましたね。セバスチャン・オジエとジュリアン・イングラシアは、パンクまでは勝ちを狙える位置につけていました。新たな偉業を成し遂げたクルーを誇りに思うとともに、テクニカルチームの働きにも感謝したいと思います。DS3 WRCがまたもやすばらしいパフォーマンスと安定性を見せてくれましたからね」